DESIGN
リモートの時代が生んだ、可動式ワークステーション!
『カーサ ブルータス』2020年7・8月号より
July 16, 2020 | Design | a wall newspaper | photo_Keisuke Hiei text_Mika Yoshida & David G. Imber
大空のもと、屋上からZOOM会議!? 噂の可動式ワークオフィスが、新時代の働き方を示します。
オルガンを弾いてるところ? ATMでお金を下ろしてる様子?……ではなくて実はこれ、仕事風景! NYの建築家・日江井恵介が向かっているのは、自ら制作した《カードボード・リモート・ワークステーション》だ。多くの人が自宅勤務を余儀なくされるこのご時世、誰もがやっぱり外に出たい。屋上ランチはよく見かけるが、段ボールデスクをポンと置くことでルーフトップを仕事場に変えてしまうとは!
ペンやトレーシングペーパー、ドリンクも収納できる小物入れあり、サングラス用フックあり。イスに腰かけて使って良し、スタンディングで使っても運動不足が解消できて、さらに良し。見れば見るほど愉快な仕掛けが詰まったリモートワーク用デスクだが、実際に使った工具は「カッターや糊、メタルの定規、鉛筆、クリップくらいです」とのこと。そもそもNYでは買い物に行くことができない状況が続いている。家にあるもので簡単に作れて、それもいかにシンプルにできるかを考えたそうだ。
ペンやトレーシングペーパー、ドリンクも収納できる小物入れあり、サングラス用フックあり。イスに腰かけて使って良し、スタンディングで使っても運動不足が解消できて、さらに良し。見れば見るほど愉快な仕掛けが詰まったリモートワーク用デスクだが、実際に使った工具は「カッターや糊、メタルの定規、鉛筆、クリップくらいです」とのこと。そもそもNYでは買い物に行くことができない状況が続いている。家にあるもので簡単に作れて、それもいかにシンプルにできるかを考えたそうだ。
ちなみに彼は、世界屈指の建築設計事務所〈コーン・ペダーセン・フォックス〉のディレクター。泣く子も黙る超高層建築の第一人者〈KPF〉で、上海やインドネシアの巨大プロジェクトを抱えて世界中を飛び回る生活から一転、自宅勤務が3月から始まった。ZOOM会議も多く、クライアントとの時差もあるため一日中、自宅から出ることができない。屋上で素振りでも、とオンラインで買った野球のバットが、やたらと大きな箱に入ってきた。その箱と遊び心が生み出した、極限までにミニマムな「オフィス環境」なのだ。屋上から夜の会議に参加したり、ヨーロッパの友人たちとリモート飲みするのは心地良い。
「気分はルーフトップバーにいる感じです。ただ、一人ですが(笑)」
自分自身の気分転換になる一方、空気が共有しづらいリモート会議も、マンハッタンの風景をバックに段ボールデスクで参加すると座が和む。社長にも大ウケだったとか。そんな彼は、これからの社会は、オフィスと自宅の兼用に向かい「予測不能の時代に備え、うまく対応できる考え方や、リモートでの自己プレゼン能力」が求められていくだろうと予想する。本人のインスタには段ボールデスクの展開図も。身の回りにあるモノを工夫して、オリジナルの「新・職環境」を組み立ててみては?
「気分はルーフトップバーにいる感じです。ただ、一人ですが(笑)」
自分自身の気分転換になる一方、空気が共有しづらいリモート会議も、マンハッタンの風景をバックに段ボールデスクで参加すると座が和む。社長にも大ウケだったとか。そんな彼は、これからの社会は、オフィスと自宅の兼用に向かい「予測不能の時代に備え、うまく対応できる考え方や、リモートでの自己プレゼン能力」が求められていくだろうと予想する。本人のインスタには段ボールデスクの展開図も。身の回りにあるモノを工夫して、オリジナルの「新・職環境」を組み立ててみては?
ひえいけいすけ
千葉県出身。2002年、KPFに加入。代表的な仕事は〈香港ICC〉や〈上海ワールドファイナンシャルセンター〉他。アフリカやアジアでボランティア活動も。インスタは@keihiei。