リモートの時代が生んだ、可動式ワークステーション! | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

リモートの時代が生んだ、可動式ワークステーション!

『カーサ ブルータス』2020年7・8月号より

大空のもと、屋上からZOOM会議!? 噂の可動式ワークオフィスが、新時代の働き方を示します。

雨や曇りの日はリビングで。
マンハッタンを望む屋上オフィス。スケッチを送ったり会議に参加するにはiPadでも十分。
オルガンを弾いてるところ? ATMでお金を下ろしてる様子?……ではなくて実はこれ、仕事風景! NYの建築家・日江井恵介が向かっているのは、自ら制作した《カードボード・リモート・ワークステーション》だ。多くの人が自宅勤務を余儀なくされるこのご時世、誰もがやっぱり外に出たい。屋上ランチはよく見かけるが、段ボールデスクをポンと置くことでルーフトップを仕事場に変えてしまうとは!

ペンやトレーシングペーパー、ドリンクも収納できる小物入れあり、サングラス用フックあり。イスに腰かけて使って良し、スタンディングで使っても運動不足が解消できて、さらに良し。見れば見るほど愉快な仕掛けが詰まったリモートワーク用デスクだが、実際に使った工具は「カッターや糊、メタルの定規、鉛筆、クリップくらいです」とのこと。そもそもNYでは買い物に行くことができない状況が続いている。家にあるもので簡単に作れて、それもいかにシンプルにできるかを考えたそうだ。
これぞプロの遊び心! 展開図。
ちなみに彼は、世界屈指の建築設計事務所〈コーン・ペダーセン・フォックス〉のディレクター。泣く子も黙る超高層建築の第一人者〈KPF〉で、上海やインドネシアの巨大プロジェクトを抱えて世界中を飛び回る生活から一転、自宅勤務が3月から始まった。ZOOM会議も多く、クライアントとの時差もあるため一日中、自宅から出ることができない。屋上で素振りでも、とオンラインで買った野球のバットが、やたらと大きな箱に入ってきた。その箱と遊び心が生み出した、極限までにミニマムな「オフィス環境」なのだ。屋上から夜の会議に参加したり、ヨーロッパの友人たちとリモート飲みするのは心地良い。

「気分はルーフトップバーにいる感じです。ただ、一人ですが(笑)」

自分自身の気分転換になる一方、空気が共有しづらいリモート会議も、マンハッタンの風景をバックに段ボールデスクで参加すると座が和む。社長にも大ウケだったとか。そんな彼は、これからの社会は、オフィスと自宅の兼用に向かい「予測不能の時代に備え、うまく対応できる考え方や、リモートでの自己プレゼン能力」が求められていくだろうと予想する。本人のインスタには段ボールデスクの展開図も。身の回りにあるモノを工夫して、オリジナルの「新・職環境」を組み立ててみては?
仕事がグンとはかどる快適アイテム収納術。
取り外し可能な小物入れ。仕事の道具はもちろん、アロマディフューザーで気分転換したり、ドリンクを用意してリモート飲みや「一人ハッピーアワー」にも対応!
ルーバーを取り付けて屋外ワーク対応に。
直射日光の下では画面が見づらいので、ルーバーを付けて建築的に光をバウンスさせた。小物入れ同様、ルーバーも取り外し可能。全体を畳んでラクラク持ち運べる。
アマゾンの箱、大小2個が本体です。
たまたま穴が開いていた部分は、サングラスやエアポッドのフックに変えた。ノートパッドや予備バッテリー用のホルダーも外側に。日よけの傘はオプショナル!
拾った小枝とノートの紙、酒瓶で季節のアイテムをDIY。

ひえいけいすけ

千葉県出身。2002年、KPFに加入。代表的な仕事は〈香港ICC〉や〈上海ワールドファイナンシャルセンター〉他。アフリカやアジアでボランティア活動も。インスタは@keihiei。

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