DESIGN
あの人のうつわとレシピ|伊藤徹也|高島大樹の黒いうつわと麻婆豆腐。
『カーサ ブルータス』2020年5月号より本誌
June 16, 2020 | Design, Food | MY FAVORITE | photo_Tetsuya Ito text_Chizuru Atsuta editor_Tami Okano
料理家や料理上手のクリエイターが大切にしているうつわ。そんなとっておきの一枚に合うとっておきの料理を、フォトグラファーの伊藤徹也さんに教えてもらいました。
コントラストが映える黒いうつわで と“飲む麻婆豆腐” を美しく引き立てる。
旅情溢れる風景写真から人物、はたまた動物写真まで、幅広いジャンルで活躍する伊藤徹也さんは、仕事を通じて国内外を飛び回るうち、いつしかうつわ好きになった。
「旅先で買うことが多く、使うたびにその場所や出会った人のことを思い出す。日常の中で、思い出に触れられるのが楽しい」
ふだんから料理が好きだという伊藤さんが最近特にハマっているのが “飲む麻婆豆腐” 。7年ほど前に料理雑誌で見たレシピがきっかけだった。以来、自家製紅油を加えるなど自身で改良を重ね、辛みの中に旨みがしっかりとある理想の味にたどり着いた。合わせるうつわは奈良県在住の作家、高島大樹の黒い輪花皿。黒を使いたくなるのは、自分が料理の専門家ではないからこそ、と言う。
「旅先で買うことが多く、使うたびにその場所や出会った人のことを思い出す。日常の中で、思い出に触れられるのが楽しい」
ふだんから料理が好きだという伊藤さんが最近特にハマっているのが “飲む麻婆豆腐” 。7年ほど前に料理雑誌で見たレシピがきっかけだった。以来、自家製紅油を加えるなど自身で改良を重ね、辛みの中に旨みがしっかりとある理想の味にたどり着いた。合わせるうつわは奈良県在住の作家、高島大樹の黒い輪花皿。黒を使いたくなるのは、自分が料理の専門家ではないからこそ、と言う。
「白いうつわって素人には難易度が高い。おいしそうに見えるうつわを探した答えが黒だった」
まずどんな料理に合うかを考えてからうつわを選ぶという伊藤さん。けれども料理家の視点というよりは、完全に写真家のそれ。
「どうしても料理を盛ったときの絵を一番にイメージしちゃいます。補色やコントラストはどうかと考えたり……。職業病ですね(笑)」
まずどんな料理に合うかを考えてからうつわを選ぶという伊藤さん。けれども料理家の視点というよりは、完全に写真家のそれ。
「どうしても料理を盛ったときの絵を一番にイメージしちゃいます。補色やコントラストはどうかと考えたり……。職業病ですね(笑)」
伊藤徹也
いとうてつや 東京都生まれ。旅、ポートレート、ランドスケープ、建築、インテリア、料理など幅広いジャンルで活躍。最近の撮影書籍に『受け継ぎたいレセピ』(野村絋子著・誠文堂新光社)。旅先では作家との出会いがなによりも楽しみ。その後も交流が続き、ここ10年ほどでうつわの量が劇的に増えた。酒と旅を心から愛する。