古今東西 かしゆか商店【いぐさのカゴ】 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

古今東西 かしゆか商店【いぐさのカゴ】

『カーサ ブルータス』2020年5月号より

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回の旅先は畳の材料でもあるいぐさの産地、岡山県倉敷市。若い職人が編む、素朴で真摯な手仕事“いかご”と出会った。

Buying No.26【 いぐさのカゴ 】いぐさの縄で手編みした強く柔らかな“すいかカゴ”。
『かしゆか商店」を2年前に始めた時、考えていたことがあります。それは、現代の暮らしでは継承しづらくなっている大切な手仕事を、若い人に知ってもらうきっかけになれば、ということ。そのひとつが畳だったのですが、今回出会ったのは、畳の材料でもある〝いぐさ〟を使ったカゴ。岡山県倉敷市の「いかご」です。
いぐさの産地・倉敷にある〈須浪亨商店〉の工房で、5代目の須浪隆貴さんと。自分で青く塗ったという壁には、須浪さんが集めた手仕事の道具や民芸品。「同じカゴでも国や時代でつくりが違うんですね」とかしゆか店主。
いぐさの産地・倉敷市の〈須浪亨商店〉は1886年創業。昔は畳や花ゴザをつくっていましたが、今は5代目の須浪隆貴さんが、おばあさま直伝の技法でいかごを一点一点手づくりしています。「家具やうつわが大好きで、グラフィックの勉強もしていました」と話す須浪さんはまだ26歳。日本で唯一の、いかご職人です。
素材は縄状にしたいぐさ。
最初に案内していただいたのは、築100年超えの納屋をDIYで改装した工房。先代から受け継いだ古い織機が置かれています。材料は、いぐさを撚って丈夫な縄状にした“いなわ”。これを織機に掛けて生地のように織り進め、端をかがってカゴの形に仕立てていく。カゴづくりと聞くと山葡萄やくるみの蔓を木型に沿って編み上げる方法を想像しますが、倉敷では“織る”んですね。

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