ベルリンの壁崩壊からの30年を振り返るデザイン展が開催中。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ベルリンの壁崩壊からの30年を振り返るデザイン展が開催中。

昨年、ドイツはベルリンの壁が崩壊してから30年を迎えた。ヴィトラ・キャンパス内〈シャウデポ〉では、壁崩壊からのデザイン史を振り返る展覧会が開催中だ。

ジャスパー・モリソンの椅子《プライチェア》、ドローグ・デザインの《You Can’t Lay Down Your Memory》(1991)などが並ぶ、インスタレーション風景。 After the Wall. Design seit 1989 © Vitra Design Museum, Foto: Lucia Hunziker
ベルリンの壁崩壊から30年を迎えた2019年。振り返ると、壁崩壊は冷戦が終結し、欧州に新しい秩序が生まれた歴史的な分岐点だった。社会主義のイデオロギーも崩壊し、自由経済に広がりをもたらした。〈ヴィトラ・デザイン・ミュージアム〉も、2019年で開館30周年を迎えている。今ではミュージアム以外にも敷地内に様々な展示スペースが建設され、デザイン巡礼地として世界中からのデザイン好きが訪れる。

壁崩壊からのデザイン史の変遷にスポットを当てたこの展覧会では、年代別にプロダクトが展示されている。崩壊直後の90年代には、〈メンフィス〉に代表される80年代のポストモダン的作風から大きく変化した、ジャスパー・モリソンの《プライチェア》が登場。ミニマリズムを極めた、同時代を代表する作品だ。80年代から活躍するフィリップ・スタルクも、90年に《ジューシー・サリフ》を発表。独特なフォルムと絞り汁が直接容器へ注がれる機能性を備えたユニークな作品だ。さらにオランダでは、現代アートのようなコンセプチュアル・デザインの作品を展開する〈ドローグ・デザイン〉が、独自の観点からコレクションを発表。多くの若手デザイナーを世に送り出した。
フィリップ・スタルク《Juicy Salif》(1990)。  © Alessi
2000年代にはコンピュータの発展に伴うテクノロジーの進化で、プロダクト・デザインのコストダウンも可能となった。また2000年前後にはコミュニケーション・デザインにより、欧州の通貨統合が実現し、絵文字などが生まれた。さらにはあのiPhoneの登場で、デザイン界のグローバル化はさらに加速した。

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