気鋭のクリエイターが集い、 時代を画す渋谷PARCO。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

気鋭のクリエイターが集い、 時代を画す渋谷PARCO。

『カーサ ブルータス』2020年1月号より

11月22日にグランドオープンした、新生〈渋谷PARCO〉。〈池袋PARCO〉の誕生から50年という節目にあたる今年、渋谷カルチャーを築いた商業施設が次の時代に目指すものとは。

CHAOS KITCHEN by Sou Fujimoto 藤本壮介
地下1階の〈CHAOS KITCHEN〉は「食・音楽・カルチャー」をコンセプトにした飲食フロア。人気ビストロの新業態店や純喫茶兼ミックスバー、立ち食いうどんやジビエ・昆虫料理店、レコードショップ、占いコーナーなど全37店舗が混在する。共有エリアのデザインを担当した藤本壮介はフロアの一角に、かつて〈渋谷PARCOパートⅠ〉に設置していたネオンサインを展示し、床と天井を鏡面仕上げに。「“C”の文字が上下に映り込み、空間と光が拡大。個性豊かなテナントがもつエネルギーを増幅させる装置としました」〈渋谷PARCOパートI〉の外壁に設置されていたネオンサインは彫刻家、デザイナーの五十嵐威暢によるもの。フロアを彩るアート作品として新たな役目を担う。7階には「R」、8階には「P」のサインが設置されている。PARCO neon logosign designed by Takenobu Igarashi 1981
3年の休業を経て、渋谷の文化発信基地が街に帰ってきた。

1973年に誕生した〈渋谷PARCO〉はファッション、演劇、音楽、映画などさまざまな流行を生み出した施設だ。今回の大規模リニューアルでどのようなビジョンを描いたのか。舵取りを行った〈PARCO〉常務執行役の泉水隆は、〈PARCO〉の生みの親である増田通二が掲げた理想を再確認することから開発を進めたという。

「街との結びつき、商業とアート&カルチャーの融合。増田が目指したこの二つに立ち返りました」
什器の一部はあえて塗装を施さず、木目を見せている。
キーカラーはピンク。あちこちにピンクのドットが浮かぶ。
COMME des GARÇONS GIRL by Rei Kawakubo 川久保 玲
若い女性にモードを提案する〈コム デ ギャルソン・ガール〉の初の単独ショップであり、限定アイテムも数多く展開。4m近い天井高を生かし、巨大な風船のようなオブジェがいくつも浮かんで天井を覆うインパクトのある空間に。コンテナのようなフォルムをした什器は木製。従来のマット加工ではなく、ツヤのある塗装を施し、金属製のようなシャープさを生み出した。丸みを帯びた壁の中はレジスペースやストックルーム。店内のあちこちに分散させることで、その間をくぐるように回遊する楽しさを創出。場所は公園通り側に作られたメインエントランスのすぐそば。 天井、壁、什器は白に統一。赤やピンクを取り入れたウェアやシューズ、バッグなどを引き立てる。
〈渋谷PARCO〉は開業当時、渋谷の環境整備を積極的に行い、多くの若者をこの街に引きつけた。そこからこの場所を拠点とするカルチャーを数多く生み出したのだ。それを踏まえ、ビルの建て替え計画では外周に螺旋状の通路を作り、渋谷の風景に溶け込むデザインを採用。1階から10階まで立体階段を使って館内にアクセスできるという、坂の町らしい歩く楽しさを体現した。また、“劇場の中にある商業施設”という原点に回帰し、核となる〈PARCO劇場〉を1.4倍の席数に。館内にはギャラリーが9つも入居するなどアートとカルチャーの側面も強化している。中でも、増田氏の名前から命名されたスタジオ〈2G〉は新生〈渋谷PARCO〉を象徴する一つだろう。小木“Poggy”基史が手がけるセレクトショップ、現代アートギャラリー〈NANZUKA〉、トイメーカー〈メディコム・トイ〉の3つが集結した空間で、ギャラリーの展示と連動し、アーティストとのコラボグッズも展開するというユニークな試みを行う。

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