CULTURE
ヘルシンキの書店オーナーが描く、メランコリーな世界。
July 1, 2017 | Culture | casabrutus.com | text_Yuka Uchida
浅草のギャラリー〈ギングリッチ〉で、7月1日からイアン・ブルジョーの個展が開催される。
飲んでいたコーヒーも画材に。
滲みやかすれのある黒い線と、それに混ざり合う鮮やかな赤。フィンランドの首都、ヘルシンキにある〈アルカディア・インターナショナル書店〉のオーナー、イアン・ブルジョーが描く絵は、どこか物憂げで、誰の心にもある寂しさや、切なさといった、言葉にできない感情に寄り添ってくれる。
独学で自分の絵のスタイルを築いたイアンは、日々、気の赴くままに筆をとり、人から貰ったインクや飲みかけのコーヒーを画材にして、自分のためだけに絵を描き続けてきた。
今回、浅草のギャラリー〈ギングリッチ〉で開催されるのは、そんなイアンの海外初となる個展だ。キュレーションは、グラフィックデザイナーの村手景子が務める。
滲みやかすれのある黒い線と、それに混ざり合う鮮やかな赤。フィンランドの首都、ヘルシンキにある〈アルカディア・インターナショナル書店〉のオーナー、イアン・ブルジョーが描く絵は、どこか物憂げで、誰の心にもある寂しさや、切なさといった、言葉にできない感情に寄り添ってくれる。
独学で自分の絵のスタイルを築いたイアンは、日々、気の赴くままに筆をとり、人から貰ったインクや飲みかけのコーヒーを画材にして、自分のためだけに絵を描き続けてきた。
今回、浅草のギャラリー〈ギングリッチ〉で開催されるのは、そんなイアンの海外初となる個展だ。キュレーションは、グラフィックデザイナーの村手景子が務める。
物語を思い起こさせる、詩的なタイトル。
今展のためにイアンは、日本の画材を取り入れた約30点の新作を描き下ろした。印象的なオレンジは、日本の朱墨を用いたもの。他にも墨や白墨、日本製のインクの伝統色も使用している。
イアンの絵を楽しむもうひとつのポイントが、タイトルだ。《The birth of a city(街の誕生)》《Stool salvaged from the great fire(大火事から救い出されたスツール)》《Reticent man steadying his world(自分の世界にとどまる無口な男)》など、物語性のある言葉がタイトルとして綴られている。元々は語学学校の講師で、その後、本好きが高じて書店を開いたイアン。言葉選びは彼の表現のひとつでもある。
今展のためにイアンは、日本の画材を取り入れた約30点の新作を描き下ろした。印象的なオレンジは、日本の朱墨を用いたもの。他にも墨や白墨、日本製のインクの伝統色も使用している。
イアンの絵を楽しむもうひとつのポイントが、タイトルだ。《The birth of a city(街の誕生)》《Stool salvaged from the great fire(大火事から救い出されたスツール)》《Reticent man steadying his world(自分の世界にとどまる無口な男)》など、物語性のある言葉がタイトルとして綴られている。元々は語学学校の講師で、その後、本好きが高じて書店を開いたイアン。言葉選びは彼の表現のひとつでもある。
Loading...