CULTURE
植物学の父、牧野富太郎を描いたアート絵本。
September 17, 2020 | Culture, Art, Design | casabrutus.com | text_Rie Nishikawa editor_Keiko Kusano
「日本の植物学の父」と称される牧野富太郎博士の人生を美しいイラストで彩った絵本が話題に。牧野の故郷である高知県の土佐和紙を使った特装版や最高級和紙に印刷された漆箱入りのアート版も制作される。
1862年生まれの植物学者・牧野富太郎は明治期に独学で植物学を学び、日本の植物をくまなく調査・採集。多数の新種を発見、命名した植物は1,500を超えるという近代植物分類学の草分けだ。
この絵本では、そんな牧野の人生の印象的なエピソードとともに魅力的な人柄が描かれている。作画は、ファッションを主軸に活躍するイラストレーター佐々木香菜子である。植物図のように細密に描かれたページと、大胆に抽象化されたところの対比が美しい。
この絵本では、そんな牧野の人生の印象的なエピソードとともに魅力的な人柄が描かれている。作画は、ファッションを主軸に活躍するイラストレーター佐々木香菜子である。植物図のように細密に描かれたページと、大胆に抽象化されたところの対比が美しい。
製本・印刷を手掛けたのは高知県の弘文印刷。通常版のほか、全52ページを土佐和紙に印刷した特装版、さらに手漉き和紙によるアート版も制作している。中でも、世界一薄い和紙として知られ、システィーナ礼拝堂のミケランジェロが描いた壁画の修復など美術品や文化財の修復材に使われる浜田兄弟和紙製作所が手がける「土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)」に印刷したアート版は製本せずに和紙のままの形状で漆の箱入り1千万円の予定だ。
「あえて古いタイプの印刷機を使うなど試行錯誤を重ねました。さらに土佐典具帖紙は、透けて見える極薄の手すき和紙で発色も優れ、これまで見たことのない印刷物に仕上がったのではないかと思います」と弘文印刷の楠淳一社長。
「あえて古いタイプの印刷機を使うなど試行錯誤を重ねました。さらに土佐典具帖紙は、透けて見える極薄の手すき和紙で発色も優れ、これまで見たことのない印刷物に仕上がったのではないかと思います」と弘文印刷の楠淳一社長。
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