内沼さんと松島さんが語る、コーヒーと映画と本の話。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

内沼さんと松島さんが語る、コーヒーと映画と本の話。

ブックコーディネーターの内沼さんがコーヒーの映画を配給! コーヒーのプロ松島さんとの尽きない話の一部がここに。

映画『A Film About Coffee』は、サードウェイブに象徴されるコーヒーカルチャーの“今”を描いたドキュメンタリー。11月のある日、映画の配給に携わる内沼晋太郎さんが〈パドラーズコーヒー〉を訪れた。松島大介さんが代表を務めるこの店では、その上映会が行われたばかり。
内沼晋太郎(以下内沼) 先日の『東京ごはん映画祭』先行上映会ではお世話になりました。

松島大介(以下松島) 店に120インチのスクリーンを広げて、音楽も結構ボリュームを上げて。

内沼 あの上映会、チケットは一瞬で売り切れてしまったんですよ。

松島 僕らは〈スタンプタウン・コーヒーロースターズ〉の豆を扱ってるのですけれど、映画に登場するダリン・ダニエルは僕がコーヒーを学んだ人でもあるんです。撮影に来たのも知ってましたし。

内沼 映画はスペシャルティコーヒーにスポットを当てていて、アメリカでそこに情熱を注ぐ人々や、ダイレクトトレード先であるコーヒー豆の生産現場が描かれています。でも、それ以外のコーヒーを否定するドキュメンタリーかといえば、そうではないんですよね。例えば、一昨年閉店した〈大坊珈琲店〉の大坊さんがリスペクトの対象として登場したりする。あの深煎りコーヒーは、ある意味サードウェイブの真逆ですから。

松島 僕が〈スタンプタウン〉と取引しているのは、フィロソフィーに共感したからなんです。彼らがダイレクトトレードを始めたのは2000年前後ですけれど、なぜそこにこだわるのか、なぜ販売する豆に焙煎日を記載するのかなど、すべてに理由がある。コーヒーは、もともとフルーツなわけです。つまり彼らがやっているのは、海外の日本料理屋が新潟の魚沼に足を運び、農家から直接お米を買うようなもの。そう考えると、そこまでやるか、と。とはいえ、うちはスペシャルティコーヒー専門店とはうたってませんし、〈スタンプタウン〉の豆を売り文句にしているわけでもない。あくまでもいろいろあるコーヒーのひとつだと思っているので。

内沼 そう、選択肢があるのは豊かなこと。僕は〈B&B〉という街の本屋を運営してますが、電子書籍は便利だと思うし、アマゾンを利用することもあるわけで。

松島 僕が住んでいたポートランドでは、カフェでコーヒーの産地を聞いたり、焙煎日を確認したりというのは当たり前のことでした。日本では、その感覚はまだ広まっていないと思う。コーヒーには鮮度があり、産地や焙煎の違いで味が大きく変わるものなのだけれど。その日着る服を選ぶように、今日はグアテマラを飲んでみようか、というのが当たり前になるといいですよね。

内沼 この映画はコーヒーに人生をかける人たちの物語です。コーヒーがどこから来て、どうなっているのか初めての人でもわかりやすく描かれている。そして見終わると、おいしいコーヒーを飲みたくなるんです。とてもハッピー。

松島 コーヒーの好き嫌いにかかわらず、食べ物に興味がある人は楽しめる映画だと思いますね。
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