『SXSW 2020』の短編映画をオンラインで楽しもう!  | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

『SXSW 2020』の短編映画をオンラインで楽しもう! 

毎年3月恒例の、音楽と映画そしてテクノロジーの祭典『サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)』。新型コロナウィルス感染症の影響で今年は残念ながら開催中止に。でも、出展された一部の短編映画がオンラインで鑑賞できるようになりました。その数なんと70本! 日本からも無料で観ることができるんです。

サイトはわずか1週間で完成。NYのクリエイティブ・デジタル・エージェンシーCode & Theoryがデザインした。ミニマムで余計な装飾や小細工なし。

イベント中止? じゃあ無料で公開しよう!

9日間に渡って16,000以上の人々が参加するSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の映画祭は、新人監督たちはもちろん業界にとっても重要なショーケースだ。上映が打ち切られた作品になんとか陽の目を見せてやりたい!というわけでSXSWはメール配信システム〈MailChimp〉のマーケティング・プラットフォームを使い、映画配給会社オシロスコープ・ラボラトリーズとタッグを組んで、無料公開プロジェクト#SupportTheShortsを立ち上げた。70もの作品がこちら(https://mailchimp.com/presents/sxsw/)でいつでも鑑賞できる。

受賞作を含む、必見3作をピックアップ!

短編映画はコンセプトを理解していれば、日本語字幕なしでも楽しめるものも多い。今回は、公開中の70作品の中から受賞作を含む3つの作品をピックアップした。

1. 注目の女性コメディアンが監督した『ベイシック』

『BASIC』(2020/米国/3分)監督・脚本チェルシー・ディヴァンデズ
Image Credit: Kevin Walsh
https://mailchimp.com/presents/sxsw/basic
「アンタつまんない〜」「つまんない〜」「あ〜つまんない〜」……。他人のインスタを見ながら、暗闇でブツブツ呟く女性。だんだん独り言がエスカレートしてくるのだけど、その時パッと灯りが!? 登場人物は4人だけ、時間はわずか3分間。監督・脚本、出演も手がけるディヴァンデズが言うところの「誰もが秘めているヤな女」のミニストーリーだ。ちょっとした「カップルあるある」ネタを短編映画に仕立て上げられるのは、人気コメディ番組の脚本家にして本人もコメディアン、というディヴァンデズだからこそ。軽~く楽しめるので、まずはここから入ってみては? ナラティブ(物語)部門の公式作品で、Los Angeles Film Awardsを始め、数々の映画祭でも受賞。

2. ドキュメンタリー部門賞に輝いた『ノー・クライング・アット・ザ・ディナーテーブル』

『No Crying at the Dinner Table』(2019/カナダ/16分)監督キャロル・グエン
https://mailchimp.com/presents/sxsw/no-crying-at-the-dinner-table
22才のヴェトナム系カナダ人女性監督による、家族のドキュメンタリー。マイクを向けられた両親や姉がとつとつと話し始めるのは、これまで誰にも打ち明けたことのない秘密や悲しみ、心の傷だ。皆でテーブルを囲んでインタビューテープを一緒に聞くうちに、それぞれの心の中で何かがゆっくりと溶けていく……。移民の両親と、新天地生まれの子どもとを隔てる文化的距離や相互理解への努力は、北米における普遍的なテーマ。詩情あふれる映像と穏やかなテンポで紡がれる、心のストーリーだ。SXSW では短編映画部門のドキュメンタリー部門賞受賞。2019年トロント国際映画祭でも「カナダの短編映画トップ10リスト」に選ばれた。

3. かけがえのない生の輝きを描く『ジャスト・ホールド・オン』

『Just Hold On』(2020/米国/7分)監督 サム・デイヴィス、レイカ・ゼータブチ
https://mailchimp.com/presents/sxsw/just-hold-on
タイトルの意味は『しっかりつかまって』。ヒューストンに住む少女とその家族を追ったドキュメンタリーだ。マーリーは先天性の脳腫瘍と闘う7才の女の子。羊に乗る子供ロデオに夢中で、6才の時に初挑戦した大会では見事チャンピオンに。勝利者インタビューで「パパに言われた通り、しっかりつかまってたの!」と誇らしい笑顔を振りまく。振り落とされてもくじけず、挑戦し続ける生命の輝き、注がれる家族の愛情、そしてテキサスの原風景。テキサス短編映画部門賞受賞作。

最後にこのサイトを立ち上げたシニア・フィルムプログラマーであるクローデット・ゴッドフリーと、短編映画プログラマーのゲイブ・ヴァン・アンバーグからカーサ読者に届いたコメントを紹介しよう。

「世界中で人々が離ればなれの状態にあり、またSXSWも中止となった今、これらの作品は本映画祭の精神そのものと言えるでしょう。監督それぞれの声や視点によって語られる、人々の情や絆。さまざまなトーンやストーリーを通じ、アイデンティティを見すえ、自分は何者であるのかを懸命に探り続けます。恐れと不安が蔓延する今の時代、これらの作品は私たちの心を一つに繋ぎます。それが直接であっても、オンライン上であっても」

『SXSW 2020 Shorts』

2020年のSXSWでは短編映画部門に寄せられた5,151作品の中から119本の短編映画が選出され、そのうちの70本をオンラインで公開。部門はアニメ、ドキュメンタリー、物語もの、テキサスもの、テキサスハイスクールの5つ。

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