VEHICLE
Chill CARS|アメリカへの憧れが感じられる、高級志向のパーソナルクーペ。
『カーサ ブルータス』2024年8月号より
July 11, 2024 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
装備が豊かになり、性能も向上、車種も増えるなど大きな発展を遂げた1970年代の日本車。その中には、アメリカ車の影響を強く受けるクルマも見られた。
〈三菱〉の2ドアクーペ、《ギャランΛ(ラムダ)》が登場したのは1976年のこと。前任の《ギャランGTO》のスポーティ路線から高級パーソナルクーペにシフトした《ギャランΛ》は、スタイリッシュなフォルムで登場した。大きくラウンドしたリアウィンドウ、尖ったノーズ、角形4灯式ヘッドライトなど斬新なデザインに身を包み、話題を呼んだ。デビュー後48年を経ても、ハッとさせられるディテールにあふれている。
コンセプトに合わせ、内装も豪華なイメージに。特にソファのような意匠のシートはその傾向が顕著で、高級感を強めていた。
《ギャランΛ》の内外装が、どことなくアメリカ車のそれを思わせるのは、当時の日本車にアメリカ車への強い憧れがあったためだ。ボディサイズや排気量もまったく及ばないものの、それでも懸命にアメリカ車になろうとしたのである。《ギャランΛ》も、まさにその一台だった。当時の提携先〈クライスラー〉から、《プリムス・サッポロ》という名で北米市場でも販売されたが、その雰囲気はアメリカ車そのものだった。
このクルマには、成熟した現代のクルマが失いかけた「憧れ」という熱量がある。《ギャランΛ》が今なお魅力的に見えるのは、それが発散されているからだろう。
コンセプトに合わせ、内装も豪華なイメージに。特にソファのような意匠のシートはその傾向が顕著で、高級感を強めていた。
《ギャランΛ》の内外装が、どことなくアメリカ車のそれを思わせるのは、当時の日本車にアメリカ車への強い憧れがあったためだ。ボディサイズや排気量もまったく及ばないものの、それでも懸命にアメリカ車になろうとしたのである。《ギャランΛ》も、まさにその一台だった。当時の提携先〈クライスラー〉から、《プリムス・サッポロ》という名で北米市場でも販売されたが、その雰囲気はアメリカ車そのものだった。
このクルマには、成熟した現代のクルマが失いかけた「憧れ」という熱量がある。《ギャランΛ》が今なお魅力的に見えるのは、それが発散されているからだろう。
country: Japan
year: 1976-80
seats: 5
size: L4,510×W1,675×H1,330mm
price: approx 1,700,000 yen
special thanks to Swinging Motors( TEL 080 3355 9483)
*データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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