VEHICLE
Chill CARS|伝統と革新を併せ持ち、欧州で賞賛されたクルマ。
『カーサ ブルータス』2023年6月号より
May 10, 2023 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
世界中の評論家が、欧州で最も優れたクルマを選ぶ「欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」は、1964年にスタート。その第1回に輝いたのが、高級車ブランド〈ローバー〉の《P6》だ。
《P6》は本来、1963年に登場した2リッタークラスの中型車《2000》だったが、パワー不足が指摘された。そのため、前身の高級車《P5》に積んでいた3・5リッターエンジンを搭載。その結果、《2000》をベースとした新たな旗艦として《3500》が誕生した。
《P6》は、それまでの上質だが保守的だった〈ローバー〉の各車とは異なり、近代的で軽快な外観を得ていた。リアドア後部の太く平面的なピラーを含め、《シトロエン・DS》から着想を得たと言われている。確かに、ボンネットとルーフの急な傾斜角なども、《DS》からのインスパイアを感じさせる。
内装では全体的に凝った意匠を持たないが、シート生地・樹脂などの素材は高品質。ウッドパネルも多用し、落ち着きのある室内空間を作り上げている。
機構面を見ると、モノコックボディなど先進的な機構を数多く盛り込んでいた。これにより、俊敏なコーナリング性能や、《P6》よりも高価格帯の高級車に匹敵する、優れた乗り心地を獲得した。
モダンなデザインや高い操縦性などの美点を持つ《P6》。第1回COTYに選ばれた実力を随所から感じることができるモデルだ。
《P6》は、それまでの上質だが保守的だった〈ローバー〉の各車とは異なり、近代的で軽快な外観を得ていた。リアドア後部の太く平面的なピラーを含め、《シトロエン・DS》から着想を得たと言われている。確かに、ボンネットとルーフの急な傾斜角なども、《DS》からのインスパイアを感じさせる。
内装では全体的に凝った意匠を持たないが、シート生地・樹脂などの素材は高品質。ウッドパネルも多用し、落ち着きのある室内空間を作り上げている。
機構面を見ると、モノコックボディなど先進的な機構を数多く盛り込んでいた。これにより、俊敏なコーナリング性能や、《P6》よりも高価格帯の高級車に匹敵する、優れた乗り心地を獲得した。
モダンなデザインや高い操縦性などの美点を持つ《P6》。第1回COTYに選ばれた実力を随所から感じることができるモデルだ。
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