FOOD
小寺慶子のレストラン予報|白金高輪〈くじら料理 うずら〉
『カーサ ブルータス』2023年10月号より
September 9, 2023 | Food | RESTAURANT FORECAST | photo_Kenya Abei text_Keiko Kodera
活力が漲る鯨の美味しさに吼えーる(!?)でしょう。
長らく日本人のスタミナ食として親しまれてきた鯨。時代の移り変わりとともに鯨肉を扱う店が減りつつあるなかで、食通を歓喜させているのが〈くじら料理 うずら〉の復活のニュースだ。
昭和48年に “かに、ふぐ、くじら” を供する店として麻布十番に創業。関西圏では鯨を使った料理がメジャーだと聞いた店主がその魅力を広めたいと研究を重ね、いつしか東京の鯨料理を代表する存在に。白金に移転した後も多くの常連客に愛された “鯨食の聖地” は1年半前にその歴史に幕を下ろしたが、再開を願う人々の声に応えたいと女将が一念発起。日本の食文化を未来へ繋ぐという思いのもとに新たなスタートを切った。
むっちりした食感の刺身や、辛子とともに味わう鯨ベーコンなど一品料理に合う日本酒やワインも充実。名物のはりはり鍋も健在で、生姜がきいた出汁スープを吸った油揚げとしゃきしゃき食感の京水菜、旨味に富んだ鯨肉を食べれば胃の腑がじんと温まり、日本の活力を支えてきた食文化の偉大さをあらためて実感する。
昭和48年に “かに、ふぐ、くじら” を供する店として麻布十番に創業。関西圏では鯨を使った料理がメジャーだと聞いた店主がその魅力を広めたいと研究を重ね、いつしか東京の鯨料理を代表する存在に。白金に移転した後も多くの常連客に愛された “鯨食の聖地” は1年半前にその歴史に幕を下ろしたが、再開を願う人々の声に応えたいと女将が一念発起。日本の食文化を未来へ繋ぐという思いのもとに新たなスタートを切った。
むっちりした食感の刺身や、辛子とともに味わう鯨ベーコンなど一品料理に合う日本酒やワインも充実。名物のはりはり鍋も健在で、生姜がきいた出汁スープを吸った油揚げとしゃきしゃき食感の京水菜、旨味に富んだ鯨肉を食べれば胃の腑がじんと温まり、日本の活力を支えてきた食文化の偉大さをあらためて実感する。
[予算]1人15,000円前後
単品のほか、さらし鯨やはりはり鍋、〆のラーメン、デザートを含むコースは12,000円。
[予約]早めがおすすめ
4人以上であれば2週間以上前の予約が安心。空いていれば当日の予約も受け付けている。
[ドレスコード]カジュアル
RUMINZによるアートが随所に飾られたポップな空間。カジュアルに鯨料理を楽しみたい。
小寺慶子
こでらけいこ 肉を糧に生きる肉食系ライター。趣味は肉旅(ミートリップ)と酒場で食べ物回文を考えること。「刺しと鍋食べな、と示唆」(鯨料理店でのオーダー例)。