FOOD
京のおやつと箸休め|〈麩嘉〉桜麩饅頭。
April 15, 2016 | Food | a wall newspaper | photo_Kunihiro Fukumori text_Shoko Nishimura
京都のおやつは菓子屋さんだけにあらず。京の味を担う食材の老舗にもある。京の名水と職人の手わざから生まれた季節限定の生麩の名菓をご紹介。
懐石や精進料理に欠かせない生麩は、シンプルにして個性的な京都ならではの食材。工夫や細工をしたさまざまな麩があるが、菓子に仕立てているのが麩饅頭。甘党の明治天皇より麩で作った甘いものをという要望があり、〈麩嘉〉の先々代が考案したとか。定番はこし餡入りの生麩を笹の葉で巻いたものだが、桜の季節にお目見えするのがこちら。道明寺粉を練り込んだ麩で、中は自家製柚子味噌とこし餡を合わせた柚子味噌餡。ぷちぷちとした食感と上品な甘みが楽しめ、ほんのりと桜の香りが立つ。4月末から柏麩饅頭、7月には粽麩饅頭、秋は栗入り、12月は黒豆入りが登場する。
麩嘉
ふうか 江戸時代文化文政のころ創業の京生麩の老舗。京の味を脇で支える棒麩や細工麩などを製造販売。