FOOD
神宮前の新しいカクテルバー。料理は長尾智子さんです。
『カーサ ブルータス』2019年10月号より
September 24, 2019 | Food | a wall newspaper | photo_Satoshi Nagare text_Masae Wako editor_Kazumi Yamamoto
9月5日、カクテルと料理のおいしいバーがオープン。ひと口ごとに感嘆する小皿料理は長尾さんの監修です。
神宮前の〈バー ラジオ〉といえば、日本のバーの歴史を変えた伝説の店。1972年から30年間その店があった場所で、9月5日、〈Bar Werk〉がオープンした。オーナーは、以前から付き合いのあるクリエイター3人。料理家の長尾智子さん、写真家の高橋ヨーコさん、そして「この空間、僕らが借りる直前までは鮨屋だったんです。その清々しい雰囲気を残しながら改装しました」と話す中原慎一郎さんだ。店に立つのは、髭もじゃダンディなバーテンダー、成田玄太さん。店の“顔”を務める。
「お酒はカクテルとナチュラルワインが中心。スタンダードなカクテルの良さを知ってほしい」と成田さん。いっぽう「メニューは、いい食材に少しだけ手間をかけたものを10種類ほど」と話すのは、料理を監修する長尾さん。
「バーの料理はあくまでもお酒の脇役。凝りすぎず、ポーションも少なめにしています。ただし少量でも満足できるのが理想だから、ソースやマヨネーズは手作り。レストランのメインにもなりうる料理の一部を、ごく小さい皿に凝縮して出す、という感じかな」
「バーの料理はあくまでもお酒の脇役。凝りすぎず、ポーションも少なめにしています。ただし少量でも満足できるのが理想だから、ソースやマヨネーズは手作り。レストランのメインにもなりうる料理の一部を、ごく小さい皿に凝縮して出す、という感じかな」
同じメニューでも使う食材は日によって替わる。たとえば「茹で卵と手作りマヨネーズ」。基本は、ふるふる柔らかな半熟卵と、白身にもったり絡むコクのあるマヨネーズだが、そこへハーブと枝豆、あるいはスパイスと黒オリーブといったアレンジが施される。黒パンとバターの塊、ブリーチーズと手作りジャムといったひと皿にも長尾さん流の工夫があり、感嘆の声があがることもしばしば。
直径17・5cmの皿に、しみじみおいしい味が詰まっている。お酒にも抜群に合う。あれこれ食べたいけど、ここはバーだもの。2、3皿にとどめておきましょう。
直径17・5cmの皿に、しみじみおいしい味が詰まっている。お酒にも抜群に合う。あれこれ食べたいけど、ここはバーだもの。2、3皿にとどめておきましょう。
Bar Werk/バー・ヴェルク
東京都渋谷区神宮前2-31-7 O-6。18時〜24時LO。日曜・月曜休。カウンターは10席。barwerk.06@gmail.com Instagram bar_werk
