FASHION
石田潤の In the mode|〈コレット〉有終の美を飾る〈sacai〉のポップアップストア。
September 27, 2017 | Fashion | casabrutus.com | text_Jun Ishida editor_Keiko Kusano illustration_Yoshifumi Takeda
ファッション界に衝撃を与えたパリのセレクトショップ〈コレット〉閉店のニュース。年末の閉店に向けて、人気ブランドとのコラボレーションが続く。9月いっぱいは、〈sacai〉と「Jardin sacai / colette」を開催中。〈コレット〉と特別な絆で結ばれたsacaiによる愛に溢れたポップアップストアとなっている。
パリのセレクトショップ〈コレット〉が、年内をもってクローズする。〈コレット〉は、ファッション界にとっていわば聖地とも言える場所の一つだ。コレクション時期には、世界中から集まったファッション関係者が必ず一度は訪れる。その目的は、コレットに何が置いてあるか、ウィンドウディスプレイを飾るブランドは何かをチェックするためだ。〈コレット〉は、ファッション界とマーケット、あるいはモードとストリートをつなぐ結節点であり、最先端のファッションそしてカルチャーを発信する場でもあった。
〈コレット〉がオープンしたのは1987年。コレット・ルソーが設立し、娘のサラ・アンデルマンとともに運営してきた。パリ・コレのショウ会場でコム・デ・ギャルソンの服に身を包んだこの親子の姿はよく見かけたものだ。アートスクール出身でファッション誌『パープル』でインターンの経験もあるサラは雑誌文化にも敏感で、以前所属した『ヴォーグジャパン』でミウッチャ・プラダなどのアートコレクションを紹介した「アート&ファッション」の特集を組んだときは、彼女自ら「英語版を出すべき」とメールをくれたこともある。日本のカルチャーやデザイナーを取り入れることにも積極的で、〈sacai〉や〈アンダーカバー〉、〈ア・べイシング・エイプ®〉などを世界のファッション界にいち早く紹介したのも彼女だった。
〈コレット〉がオープンしたのは1987年。コレット・ルソーが設立し、娘のサラ・アンデルマンとともに運営してきた。パリ・コレのショウ会場でコム・デ・ギャルソンの服に身を包んだこの親子の姿はよく見かけたものだ。アートスクール出身でファッション誌『パープル』でインターンの経験もあるサラは雑誌文化にも敏感で、以前所属した『ヴォーグジャパン』でミウッチャ・プラダなどのアートコレクションを紹介した「アート&ファッション」の特集を組んだときは、彼女自ら「英語版を出すべき」とメールをくれたこともある。日本のカルチャーやデザイナーを取り入れることにも積極的で、〈sacai〉や〈アンダーカバー〉、〈ア・べイシング・エイプ®〉などを世界のファッション界にいち早く紹介したのも彼女だった。
8月に閉店がアナウンスされて以来、〈コレット〉と縁の深いブランドとのポップアップストアが展開されているが、9月の1か月間はsacaiとコラボレーションした「Jardin sacai / colette」が開催されている。〈コレット〉はsacaiにとっても特別な店であり、sacaiが初めてパリで展示会を行った2004年、全く無名の存在だったsacaiを買い付けたのがコレットのサラだった。sacaiが海外のファッションピープルたちの目に止まり、世界的人気を博すようになったきっかけの一つも、おそらく〈コレット〉にその服が並べられたことにあるだろう。デザイナーの阿部千登勢は、〈コレット〉を「パリにおけるsacaiのホームのような存在」と述べている。
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illustration Yoshifumi Takeda
石田潤
いしだ じゅん 『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。