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市川團十郎×ルイ・ヴィトンが新しい〈Ginza Sony Park〉に降臨！

『カーサブルータス』2025年2月号より

January 14, 2025 | Fashion, Architecture | PR | photo_Yuji Ono styling_Atsushi Okubo hair & make-up_Jun Matsumoto text_Mari Matsubara, Shigeo Kanno

未来に向けて次世代へのメッセージが込められた〈ルイ・ヴィトン〉2025年春夏メンズコレクションに身を包んだ歌舞伎俳優・市川團十郎。多様な人々が行き交う新しい銀座の公園〈Sony Park〉で「伝統」と「革新」が交差しました。

スタンドカラー・コート737,000円、パンツ217,800円、シューズ299,900円、バッグ1,688,500円（以上ルイ・ヴィトン／ルイ・ヴィトンクライアントサービス TEL 0120 00 1854）。

スタンドカラーにスパンコール刺繍でダミエ・パターンが浮かび上がる細身のブラックコートで都会的なダンディズムを見せたかと思えば、モノグラム・パターンがエンボスされたモーブ色のジャケットで優しさに満ちたラグジュアリーカジュアルを表現する市川團十郎。歌舞伎界随一の端正なマスクと鍛え上げた肉体で、見事に〈ルイ・ヴィトン〉の最新コレクションを着こなした。

市川宗家とこのメゾンとの縁は先代の頃からだ。これまでに鏡台や着物ケースをスペシャルオーダーで製作したり、2007年パリ・オペラ座大歌舞伎公演を後援したり、関係性を紡いできたメゾンについて團十郎はこう語る。

「たくさんの海外ブランドが居並ぶ中でも、〈ルイ・ヴィトン〉は皆が憧れる特別なメゾン。“モノグラム” や “ダミエ” など伝統を感じさせる意匠を守りつつ、常に時代にフィットしていく姿勢が素晴らしいと感じています。メンズのクリエイティブ・ディレクターにファレル・ウィリアムスを起用するあたりに、異分野の人材を取り入れ、挑戦していく思考が伝わってきます。そこには、何百年も前に書かれた演目を各時代の役者たちが演じることで脈々と受け継ぎ、その一方で現代の作家に脚本を依頼したり、漫画やアニメとコラボしたり、常に新しいものを取り入れていく歌舞伎の世界との共通点があるように思います」

“ダミエ” をエンボスしたウルトラブラックのトラックスーツ496,100円、同素材のトラックパンツ377,300円、Tシャツ85,800円（以上ルイ・ヴィトン／ルイ・ヴィトンクライアントサービスTEL 0120 00 1854）。「普段の自分に近い、リラックスできるセットアップです」（團十郎）

〈Ginza Sony Park〉の特徴の一つが地下3階から5階までをつなぐ螺旋状の大階段、通称「縦のプロムナード」。内外を隔てない低層構造は、街に余白と新しい景観を生み出す “公園” のような存在だ。地上は、数寄屋橋交差点からの人の流れを開放的な吹き抜けでシームレスに受け入れる。

今季のテーマは「グローバル」と「多様性」。團十郎もまた、これまで各地で海外公演を重ね、歌舞伎を世界に紹介してきた。

「歌舞伎を世界に発信していくことは必要だと思っています。今後はただ伝統的な演目を披露するというよりは、たとえば〈ルイ・ヴィトン〉が新しい視点で制作する企画の一部として出演するのも面白そうですよね。衣裳のダミエ・パターンの一つ一つの正方形がよく見ると成田屋の定紋である “三升” になっているとか、そんなことを夢見ています」

今回のシューティングの舞台となったのは、2025年1月にグランドオープンする〈Ginza Sony Park〉。この場所には元々1966年に竣工して以来、50年以上にわたり銀座の玄関口として親しまれた〈ソニービル〉があった。

カーディガン555,500円、シャツ218,900円、“ダミエ” をカモフラージュ柄に解釈した「Damoflage」を、さらに爬虫類のウロコのようにピクセル処理した「Snakoflage」柄のデニムパンツ337,700円（予定価格／以上ルイ・ヴィトン／ルイ・ヴィトンクライアントサービス TEL 0120 00 1854）。

モノグラム・エンボスのレザージャケット935,000円（予定価格）、シャツ参考商品、カーゴパンツ238,700円（予定価格）、バッグ514,800円（以上ルイ・ヴィトン／ルイ・ヴィトンクライアントサービス）。右ページの青い六角タイルとこのページの白タイルは〈ソニービル〉の1966年竣工当時のもの。

「ソニーの創業者のお一人である盛田昭夫さんはご自宅が近所で、子どもの頃から可愛がっていただき、当時ソニービルの地下にあった〈ソニープラザ〉にはよく行った思い出があります。そのビルを建て替えるにあたっては低層にとどめ、オフィスやテナントを入れるのではなく、誰でもアクセスでき、さまざまな楽しみ方ができる“銀座の公園”のような場所にしたと聞いて、その英断に感銘を受けました。店舗などではなく、パブリックに向けて文化や新しいことを提供する場を作るという発想は、ウォークマンやaibo、プレイステーションなど数多くの最先端プロダクトを世に送り出し、文化を創造してこられた企業の社風と伝統があってこそでしょう」

〈ルイ・ヴィトン〉と團十郎。伝統を守りながら革新的な挑戦をし続ける者同士の共感が、新陳代謝を繰り返す街・銀座に再生した新スポットでスパークした。