FASHION
話題の新プロジェクト〈ユニクロ:シー〉、デザイナーにインタビュー。
『カーサ ブルータス』2023年10月号より
September 12, 2023 | Fashion, Architecture, Design | casabrutus.com | photo_Masaya Tanaka (TRON) text_Mio Koumura styling_Tomoko Iijima hair & make-up_Shinya Kawamura (mod’s hair) model_Raelynn (BRAVO models)
〈ユニクロ〉が英国を代表するデザイナーとの新プロジェクトを発表。 今を生きる女性のためのシックでエフォートレスなワードローブ〈ユニクロ:シー〉は、どんな発想から生まれたのか? デザイナー、クレア・ワイト・ケラーにインタビュー。妹島和世が手がけた日本女子大学の建築とともにナビゲートします。
⚫︎クレア・ワイト・ケラーが見つけた「美しいフォルムと機能性」。
アルファベットを掲げた〈ユニクロ〉のコレクションラインに、柔らかな楕円を描く「C」が追加される。手がけるのは〈クロエ〉や〈ジバンシィ〉で手腕をふるってきたクレア・ワイト・ケラー。ラグジュアリービジネスから退いて3年、初のシグネチャーブランドを携えて戻ってきた彼女に〈ユニクロ:シー〉について聞いた。
ー〈ユニクロ〉との出会いは?
14年前に発売された《+J》で、存在を初めて知りました。商品が見たくて実際に足を運びましたが、見事に完成されたコレクションがこの価格帯で手に入るのかと驚きました。以来ユニクロの大ファンで、カシミヤセーターやメンズのシャツを愛用しています。
ーこのプロジェクトを引き受けた決め手は何ですか?
お話をもらった時から嬉しく引き受けることを決めていましたが、最も魅力的だったのはコレクションを一から作れたことです。これまでデザイナーズブランドと仕事をしてきたため、私は自分のブランドを持ったことがありません。ブランドのDNAや価値観を理解し、その歴史の一部となることが仕事でしたが、このオファーは私が表現したいことを私のアイデアで作り上げることができる、またとない機会になると感じました。
ー〈ユニクロ〉との出会いは?
14年前に発売された《+J》で、存在を初めて知りました。商品が見たくて実際に足を運びましたが、見事に完成されたコレクションがこの価格帯で手に入るのかと驚きました。以来ユニクロの大ファンで、カシミヤセーターやメンズのシャツを愛用しています。
ーこのプロジェクトを引き受けた決め手は何ですか?
お話をもらった時から嬉しく引き受けることを決めていましたが、最も魅力的だったのはコレクションを一から作れたことです。これまでデザイナーズブランドと仕事をしてきたため、私は自分のブランドを持ったことがありません。ブランドのDNAや価値観を理解し、その歴史の一部となることが仕事でしたが、このオファーは私が表現したいことを私のアイデアで作り上げることができる、またとない機会になると感じました。
ー未開のシグネチャーブランド。製作過程を教えてください。
私の美意識の集大成となるコレクションですから、まずは長年培ってきた“デザイン・ボキャブラリー”の中を整理し、そこに常に存在するシグネチャーを表現したいと考えました。流れるようなプリントのドレス、非常に軽いブラウス、ボリュームのあるカシミヤセーター、美しいカッティングのパンツ、そしてトレンチコートは欠かせない重要なアイテムです。
その過程の中で最大の課題は、ファッションの限界に挑むという衝動を抑えることでした。例えば〈ジバンシィ〉で発表したコレクションにもトレンチコートはありますが、今回はブランドのアイデンティティを強く反映したファッション的なものではなく、とにかく自分にとっての不朽のスタイルに、私のデザインの特徴でもあるエフォートレスなスタイルと動きをどこまで表現できるかを細やかな部分まで追求していきました。
ーレイヤリングを想定したデザインは、スタイリスト経験から?
ユニクロでは、世界中の気候の異なる国々で暮らす人々に向けて服がデザインされています。非常に重要な要素ですが、実はこれを想定した服作りを私は意識したことがありませんでした。
そうした背景もあって、ほとんどがタイムレスで、季節に関係なく一年を通して着回せるよう、素材選びやフィットなどを工夫し、完全に多機能なワードローブが可能であることを目指したことも重要なアイデアの一つでした。季節を問わずレイヤリングすることは私生活で自然と実践していることですし、自分らしいアプローチになりました。
私の美意識の集大成となるコレクションですから、まずは長年培ってきた“デザイン・ボキャブラリー”の中を整理し、そこに常に存在するシグネチャーを表現したいと考えました。流れるようなプリントのドレス、非常に軽いブラウス、ボリュームのあるカシミヤセーター、美しいカッティングのパンツ、そしてトレンチコートは欠かせない重要なアイテムです。
その過程の中で最大の課題は、ファッションの限界に挑むという衝動を抑えることでした。例えば〈ジバンシィ〉で発表したコレクションにもトレンチコートはありますが、今回はブランドのアイデンティティを強く反映したファッション的なものではなく、とにかく自分にとっての不朽のスタイルに、私のデザインの特徴でもあるエフォートレスなスタイルと動きをどこまで表現できるかを細やかな部分まで追求していきました。
ーレイヤリングを想定したデザインは、スタイリスト経験から?
ユニクロでは、世界中の気候の異なる国々で暮らす人々に向けて服がデザインされています。非常に重要な要素ですが、実はこれを想定した服作りを私は意識したことがありませんでした。
そうした背景もあって、ほとんどがタイムレスで、季節に関係なく一年を通して着回せるよう、素材選びやフィットなどを工夫し、完全に多機能なワードローブが可能であることを目指したことも重要なアイデアの一つでした。季節を問わずレイヤリングすることは私生活で自然と実践していることですし、自分らしいアプローチになりました。
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