FASHION
港町・気仙沼のつくり手によるカバンとセーター。|行くぜ、東北。
February 8, 2016 | Fashion, Design | sponsored | photo_Tetsuya Ito text_Yoshikazu Itamoto (SHOE PRESs) editor_Akio Mitomi
東日本大震災から間もなく5年。被害の大きかった宮城県気仙沼市で、2つの工房が独自の製品を世に送り出しています。帆布をベースにシンプルなデザインのカバンや財布などをつくる〈MAST HANP〉、そして気仙沼の女性たちが編み手となり素敵な手編みセーターやカーディガンをつくる〈気仙沼ニッティング〉。港町発の2つのメーカーを紹介します。
東日本大震災の2年前の2009年、気仙沼港に近い南町にバッグやカバンなどを中心にした店を開いた。宍戸さんが自らデザインし、自ら縫った製品を販売する工房兼店舗である。「当時はまだ手探りで、どんなものを作っていけばいいか、お客さんの声を聞きながら仕事をしていこうと店をオープンしました」。
その小さな店が津波であとかたもなく流された。宍戸さんは、震災直後こそ将来を案じ悩んだが、1か月後には高台の自宅で仕事を再開する。そしてそのまま、現在まで、製造販売を行い、徐々に〈MAST HANP〉の名は、世の中に知られるようになっていった。
その小さな店が津波であとかたもなく流された。宍戸さんは、震災直後こそ将来を案じ悩んだが、1か月後には高台の自宅で仕事を再開する。そしてそのまま、現在まで、製造販売を行い、徐々に〈MAST HANP〉の名は、世の中に知られるようになっていった。
宍戸さんの帆布作りは、自らのデザインに沿ってハサミで裁断しながら形にしていく。帆布は厚手のもので4号、裏生地のある薄いものは10号を主に使う。しっかりと織り、丈夫で長持ちが〈MAST HANP〉製品のモットーだ。また帆布のほか、染色した生地をベースにした製品もある。使い続けるほどに表情を変え、味わい深い色へと変化する「硫化染め」、洗濯しても色落ちが少なく耐久性に優れた「反応染め」などの生地も多く使われる。
震災もあり自宅を工房兼店舗としていたが、それも年内中に解消されるかもしれない。2016年中に完成予定の〈気仙沼復興商店街 南町紫市場〉の移転予定のスペースに出店が決まっている。新しい店舗では新製品を毎月提供していきたい、と宍戸さんの製作意欲は高い。アイデアを形にする楽しさ、そしてその製品に対して、店舗では客がすぐに反応してくれる、その繰り返しを今後も続けていきながら、いつか〈MAST HANP〉の代表作を完成させたい、と意気込む。
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