DESIGN
古今東西 かしゆか商店【黒釉の輪花鉢】
『カーサ ブルータス』2018年7月号より
July 8, 2018 | Design, Travel | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair &make_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける店主・かしゆか。今回はうつわ特集に合わせた特別編と題して奈良の生駒へ。大好きな陶芸家、高島大樹さんの工房兼自宅を訪ねた。
「うつわの特集号をつくるので、かしゆか商店もうつわ作家の工房に行きませんか?」。カーサ ブルータスの編集部からそう聞いてまず思い浮かべたのは、奈良の高島大樹さん。花の形をした“輪花皿”で大人気の陶芸家です。私は2年前に知ったのですが、人気がありすぎていつも完売状態。でも、個展は1年に3回で東京では2年に1度だけ、しかも早朝から行列ができると聞いて、興味がわきました。そして幸運にも個展で買うことができ、自分で使って納得したんです。とにかく、かわいい。本当にかわいい。黒釉の輪花皿は料理を引き立て、白い粉引は料理をふんわり包み込む。確かに、これは並んででも買いたくなる!
そんな高島さんは、昭和40年代に建てられた一軒家に、ご家族とフレンチブルドッグのボンと暮らしています。以前はリビングの一角が仕事場でしたが、最近改築して工房スペースを独立させました。自宅と工房の間には、高島さんがイチから設計したというギャラリースペースもあって、アンティークのステンドグラスがとても素敵。10年前に骨董店で見つけ、改築する時のためにキープしてもらっていたそうです。
そしてギャラリーの奥にある工房では、五寸(15cm)の輪花皿をつくる工程を見せてもらいました。厚さ6mmの板状にした土を花形の型の上に伏せ、布をかぶせてギュッと押しあてることで輪花状に成形します。さらに花びらのラインを深くしたり輪郭を削ったり。これを一人で1000点も2000点もつくるなんてすごい。
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