DESIGN
古今東西 かしゆか商店【甲州手彫印章】
『カーサ ブルータス』2025年5月号より
| Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu logo design_Akihiro Kumagaya hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは「ハンコの里」と呼ばれる山梨の旧六郷町。小さな町の小さな伝統工芸、甲州手彫印章に出会いました。
ハンコには想い入れがあるんです。上京した頃 “お仕事で必要ですよ” と言われても、珍しい苗字だと市販されてない。オーダーしてやっと届いた時のうれしさは、今も覚えています。私だけのもの! っていう特別な感じがしたんですね。
「山梨県の御岳山では昔から水晶が採れ、江戸時代には甲府を中心に水晶の加工技術も発達しました。また、文字の知識に長けた篆刻家が多くいたことや、六郷地域が足袋の行商で栄え、販路が整っていたことも特徴。それらの好条件が合わさって、水晶やツゲの木、水牛などの角を使った印章(ハンコ)作りの産地が形成されたんです」
「山梨県の御岳山では昔から水晶が採れ、江戸時代には甲府を中心に水晶の加工技術も発達しました。また、文字の知識に長けた篆刻家が多くいたことや、六郷地域が足袋の行商で栄え、販路が整っていたことも特徴。それらの好条件が合わさって、水晶やツゲの木、水牛などの角を使った印章(ハンコ)作りの産地が形成されたんです」
そう話す望月煌雅さんは、家業の印章業を受け継いだ3代目です。
「小学生の頃は同級生の半数ほどがハンコの仕事に携わる家の子ども。卒業文集の “将来なりたい職業” も、ハンコ屋が一番人気でした」
「小学生の頃は同級生の半数ほどがハンコの仕事に携わる家の子ども。卒業文集の “将来なりたい職業” も、ハンコ屋が一番人気でした」
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