DESIGN
パリ・ノートルダム大聖堂が再始動! 現代的で荘厳な、新しい祭具デザインが話題です。
『カーサ ブルータス』2025年3月号より
| Design, Architecture, Travel | a wall newspaper | photo_Guillaume Bardet / diocèse de Paris text_Chiyo Sagae
火災から5年、復活を遂げたノートルダム大聖堂。空間に新たな息吹を吹き込んだデザイナーとは?
2019年4月。黒煙と炎に包まれたパリ・ノートルダム大聖堂に世界が息を呑んだ。火災から5年経った24年末、修復を終えた大聖堂で初のミサが執り行われた。生まれ変わった大聖堂で人々の目を奪ったのは、黄金色を取り戻した石柱やヴォールト天井に反射し、内部に満ちる光。とりわけ、空間に溶け込む現代的で荘厳な新しい典礼祭具が、再建された21世紀の大聖堂にふさわしいデザインとして注目を浴びている。
作者は、デザインと彫刻の両領域で活躍するギヨーム・バルデ。パリの国立高等装飾美術学校(ENSAD)で学び、文化庁所有のローマのヴィラ・メディチに滞在した活動初期から「石」に着目。移動が可能な家具(モビリエ)と移動不可(イモビル)な建造物との不可思議に連続する関係を「動かない家具(モビリエ・イモビル)」として発表した。その後も素材による独自のデザインプロセスで、建築、彫刻、デザインが共鳴する作品を手がけて評価が高い。
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