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〈JIL SANDER GINZA〉をつくるもの。建築家とフィーチャー・アーティストにスペシャルインタビュー。
『カーサ ブルータス』2025年3月号より
| Design, Architecture, Art, Fashion | PR | text_Yoshinao Yamada illustration_Yoshifumi Takeda
静かな佇まいながら、随所にそのこだわりやブランドのDNAを強く感じられる旗艦店〈JIL SANDER GINZA〉。設計を担当したカスパー・ミュラー・クニアー・アーキテクツとストアの象徴的存在となっているアートを制作したレイチェル・ホワイトリードにインタビュー。改めてその魅力を掘り下げてみたい。
[INTERVIEW 01]建築家/カスパー・ミュラー・クニアー・アーキテクツ
地球に根差す素材を扱い、時を超える空間を作り出す。
ロンドンとベルリンに拠点を持つ建築設計事務所〈カスパー・ミュラー・クニアー(以下CMK)アーキテクツ〉。ロンドン・ボンドストリートの旗艦店に続き、ルーシー&ルーク・メイヤーとともに〈JIL SANDER〉の銀座旗艦店を手がけた。両店舗に共通するのは〈JIL SANDER〉のコレクション同様、素材のコンビネーションやディテールの妙で仕上げた美しい空間である。なかでも印象的なのが、床や壁を覆うトラバーチン(大理石の一種)だ。代表の一人、オラフ・クニアーはこの石を「地球の地質学的な時間を物語る素材」だという。
ロンドンとベルリンに拠点を持つ建築設計事務所〈カスパー・ミュラー・クニアー(以下CMK)アーキテクツ〉。ロンドン・ボンドストリートの旗艦店に続き、ルーシー&ルーク・メイヤーとともに〈JIL SANDER〉の銀座旗艦店を手がけた。両店舗に共通するのは〈JIL SANDER〉のコレクション同様、素材のコンビネーションやディテールの妙で仕上げた美しい空間である。なかでも印象的なのが、床や壁を覆うトラバーチン(大理石の一種)だ。代表の一人、オラフ・クニアーはこの石を「地球の地質学的な時間を物語る素材」だという。
「トラバーチンは地球の歴史が刻まれた一部。私たちは、この石が地面から現れたかのように表現しました。素材という意味では、コットン、ウール、カシミヤのように基礎的な存在。けれどそれを上質に美しく扱うのが〈JIL SANDER〉のアイデンティティです。ベーシックでシンプルな存在を素晴らしいものにすることが、ルーシー&ルークの精神につながる。僕らは常に、建築家としてどのように〈JIL SANDER〉と関わるかを重視しています。このブランドはコンセプトとマテリアルが通じ合う特別な存在。ルーシーとルークはある意味で創造主ですが、彼らはファッションの世界を生み出す一方で音楽やアートへの眼差しを持っている。僕らを繋ぐのはファッションというより、何に関心を持っているかという意識です。彼らのそうした関心の幅広さが、マテリアルへの視点などに繋がっていくのでしょう」
これまでに日本でいくつものプロジェクトを手がけてきたクニアーは「銀座という場所が大好き」なのだそう。さまざまなショップやオフィスが建ち並ぶかと思えば、小さな通りに一歩足を踏み入れるとネオンの光がロマンティックに揺れる姿が魅力的なのだという。銀座店は余白のある空間の作り方をしている一方で、濃密に詰まった空間というコントラストを通じて〈JIL SANDER〉のコンセプトを発揮できたと振り返る。
これまでに日本でいくつものプロジェクトを手がけてきたクニアーは「銀座という場所が大好き」なのだそう。さまざまなショップやオフィスが建ち並ぶかと思えば、小さな通りに一歩足を踏み入れるとネオンの光がロマンティックに揺れる姿が魅力的なのだという。銀座店は余白のある空間の作り方をしている一方で、濃密に詰まった空間というコントラストを通じて〈JIL SANDER〉のコンセプトを発揮できたと振り返る。
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