DESIGN
古今東西 かしゆか商店【和傘】
『カーサ ブルータス』2024年8月号より
August 7, 2024 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回の訪問先は徳島。伝統的な建物が並ぶ “うだつの町” で竹と糸と和紙で手作りする「美馬和傘」と出会いました。
雨粒が傘に落ちる音はとても心地よいものですが、その傘が和紙だったら、どんな音がするのでしょう。
「6世紀に中国から伝来した傘は、天蓋と呼ばれる開閉できないもの。平安時代には、身分の高い人に差しかけて、空から降る厄を避けるものとして使われました。それが安土桃山時代、日本独自の部品や構造が発明され、開閉できて雨傘にもなる今の形になったんです」
「6世紀に中国から伝来した傘は、天蓋と呼ばれる開閉できないもの。平安時代には、身分の高い人に差しかけて、空から降る厄を避けるものとして使われました。それが安土桃山時代、日本独自の部品や構造が発明され、開閉できて雨傘にもなる今の形になったんです」
そう話すのは、徳島県美馬市にある〈美馬市伝統工芸体験館 美来工房〉の住友聡さん。傘の原点は雨避けの道具ではなく、傘の中の人を守る魔除けだったのですね。
「明治維新のころに大阪から傘職人を雇い、近隣地域の竹や和紙で作り始めたのが美馬和傘。最盛期には年間90万本が作られていましたが、時代の変化によって昭和30年代には廃れてしまいます」
「明治維新のころに大阪から傘職人を雇い、近隣地域の竹や和紙で作り始めたのが美馬和傘。最盛期には年間90万本が作られていましたが、時代の変化によって昭和30年代には廃れてしまいます」
Loading...
Loading...