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セルジュ・ムーユの名作照明、そのロングセラーの秘密。〈イデー〉創始者・黒﨑輝男さんが語る復刻の経緯とは?
March 26, 2024 | Design | PR | photo_Masaki Ogawa text_Mariko Uramoto editor_Keiko Kusano styling_Tomomi Nagayama
細長いアームから伸びた貝殻のようなシェード(リフレクター)が柔らかな光を放つ、セルジュ・ムーユのライティング。1952年に誕生したこの名作照明は一度、制作中止になった幻の作品でした。それを1980年代に日本で復刻したのが〈イデー〉。創始者の黒﨑輝男さんに経緯を聞きながら、セルジュ・ムーユの照明が時代を超えて支持される理由をひもときます。
ミッドセンチュリーを代表するフランス人デザイナーのひとり、セルジュ・ムーユ。彼が自身の手でランプ(照明)のシリーズを制作していた期間は、1950年代前半から60年代前半までのわずか10年ほど。
代表作でもある《ランパデール トワ ルミエール》は1952年、建築家/デザイナーのジャック・アドネの勧めで家具メーカー〈Compagnie des arts français〉のために制作したもの。細長い脚に三本の細いアームから貝殻のようなリフレクターが3つついたこの照明は絶妙なバランス感覚と彫刻的な美しさを持ち、多くの人を惹きつけた。まるで昆虫のような照明を、ムーユは「ナナフシ」(編集部注:木の枝に擬態する昆虫)と呼んでいたという。
代表作でもある《ランパデール トワ ルミエール》は1952年、建築家/デザイナーのジャック・アドネの勧めで家具メーカー〈Compagnie des arts français〉のために制作したもの。細長い脚に三本の細いアームから貝殻のようなリフレクターが3つついたこの照明は絶妙なバランス感覚と彫刻的な美しさを持ち、多くの人を惹きつけた。まるで昆虫のような照明を、ムーユは「ナナフシ」(編集部注:木の枝に擬態する昆虫)と呼んでいたという。
その後も一灯のフロアスタンド《ランパデール アン ルミエール》(1953)、壁付けライティング《アプリク ミュラル アン ブラ ピヴォタン》(1953)、固定式のシーリングランプ《シュスポンション トワ ブラ ピヴォタン》(1958)など次々とシリーズを発表。しかし、1959年、セルジュは長年患っていた結核のため仕事を中止し、1962年には教師として後進の育成に専念するため照明制作の中止を決意したという。
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