DESIGN
古今東西 かしゆか商店【日光下駄】
『カーサ ブルータス』2023年7月号より
July 6, 2023 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは、栃木県日光市の伝統工芸「日光下駄」。日光東照宮に詣でるために考えられた、草履型の履物です。
「日光下駄は下駄でもあり草履でもある。日光東照宮へ参拝する人のために生まれたものなんですよ」
と話す山本政史さん。長年にわたってこの履物を作り続けている、日光下駄唯一の伝統工芸士です。
「江戸時代、神社仏閣の境内に入る際は、格式ある草履を履くのが決まり。下駄ではダメだったんです。ところが日光のお寺は坂道が多く、冬は雪も降るので草履では具合が悪い。そこで、坂道や雪道でも歩ける台木を草履の下に縫い合わせた “御免下駄” が生まれました。明治時代になって台木の形をさらに改良したのが、庶民にも愛用される “日光下駄” です」
と話す山本政史さん。長年にわたってこの履物を作り続けている、日光下駄唯一の伝統工芸士です。
「江戸時代、神社仏閣の境内に入る際は、格式ある草履を履くのが決まり。下駄ではダメだったんです。ところが日光のお寺は坂道が多く、冬は雪も降るので草履では具合が悪い。そこで、坂道や雪道でも歩ける台木を草履の下に縫い合わせた “御免下駄” が生まれました。明治時代になって台木の形をさらに改良したのが、庶民にも愛用される “日光下駄” です」
その台木に使われるのは、軽くて固い日本の桐。今の人が履いても歩きやすく丈夫な素材です。
「草履表の材料には吸湿性の高い真竹の表皮を使い、鼻緒の中に詰めるのは無農薬のもち米の藁。素足で履くことも多いので、安全なものを使いたいんです」
「草履表の材料には吸湿性の高い真竹の表皮を使い、鼻緒の中に詰めるのは無農薬のもち米の藁。素足で履くことも多いので、安全なものを使いたいんです」
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