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古今東西 かしゆか商店【アルミの行平鍋】

『カーサ ブルータス』2021年12月号より

| Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu   hair & makeup_Masako Osuga editor_Masae Wako

日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回出会ったのは、大阪の鍋工房〈姫野作.〉による行平鍋。アルミを叩いて強くする “打ち出し” でつくる日用品です。

大正13年創業、大阪府八尾市〈姫野作.〉で。「よく見るアルミ鍋より厚みがあるんですね」とかしゆか店主。「3mm厚の純アルミ板を使っています。保温性が高まり食材にも優しく火が入るんですよ」と3代目の姫野寿一さん。
大正13年創業、大阪府八尾市〈姫野作.〉で。「よく見るアルミ鍋より厚みがあるんですね」とかしゆか店主。「3mm厚の純アルミ板を使っています。保温性が高まり食材にも優しく火が入るんですよ」と3代目の姫野寿一さん。
少し涼しくなったせいか、根菜の煮物やひとり鍋がおいしくできる “普段使いの鍋” が気になります。今回訪ねたのは、大阪府八尾市の〈姫野作.〉。大正13年に創業し、銅やアルミの打ち出し鍋を作り続けている鍋工房です。“打ち出し” とは、金属の板を叩いて成形する鍛金技法のこと。

「アルミも銅も軟らかい金属ですが、金鎚で叩いて粒子を締めることで、強く硬くなるんです」と3代目の姫野寿一さん。この日は、軽くて使い勝手のいいアルミの行平鍋をつくってもらいました。
Purchase No. 43【アルミの行平鍋】叩くことで強く、美しく。日々の料理を支えるアルミ鍋。
Purchase No. 43【アルミの行平鍋】叩くことで強く、美しく。日々の料理を支えるアルミ鍋。
ヘラ押しという方法で成形した鍋を鉄の叩き台にセットし、内側の底から打ち始めます。中央から外側に向けて、ぐるぐると一筆描きのように鎚目をつけていく。一方、側面は鍋の外側を叩きます。

コンコンコンコン……少しずつ鍋を回しながら1周、2周。息つく間もなく打ち続ける一定のリズムが、まるで音楽を聴いているような心地よさ。鍋を叩くビートに合わせ、気が付いたら心の中で裏拍を取っていたほどです。
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