マリオ・ベリーニのデザイン哲学を“動くアート”で体験。
| Design, Art, Culture | casabrutus.com | photo_Masanori Kaneshita text_Tomomi Nagayama
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アニメーションディレクター・大川原亮の独自のタッチで描くイラストに、アニメーションを加えた動くアートが楽しめるインスタレーション。

今回のインスタレーションを手がけた大川原。短編作品『アニマルダンス』やNHKみんなのうた『小さきものたち』、斉藤和義のMVなどを手がけるアニメーションアーティストだ。

1972年に発表され、コンパッソ・ドーロ賞を受賞したマリオ・ベリーニの代表作《レ・バンボレ》。展示は2007年に発売された《レ・バンボレ’07》。

1970年に発表されたソファ《カマレオンダ》が新たに復刻。ボリュームのあるソファセットが1Fショールームの空間全体に並ぶ様は圧巻だ。

大川原お気に入りのオリベッティ社の計算機とベリーニ。シンプルな線だけでベリーニの特徴がしっかり表現されているのはさすがだ。

イタリアで出版されているベリーニの子ども向けのデザイン本に描かれているイラストを大川原がオマージュしたもの。「ものを擬人化して考える」というベリーニのデザインプロセスを表現している。

動画は40秒で1巡。ネコが乗っているのは〈B&B Italia〉の前身ブランド〈C&B〉から1966年に発表された積み重ねのできるテーブル《クアトロ ガッティ》。

今回、大川原が描いたイラストのモティーフはベリーニの作品の中でも象徴的なものをセレクトしたという。このイラストは1972年、《レ・バンボレ》と同じ年に〈C&B〉が〈カッシーナ〉と共同でスポンサードしたという〈ニューヨーク近代美術館〉の『Italy: the new domestic landscape』展から。当時、ミニバンやファミリーカーのない時代にも関わらず車の中で眠ったり食べたりして過ごそう、というコンセプトが斬新だった。

1966年発表の《アマンタ》ソファのデザインコンセプトを描いたもの。シェルにクッションを置いていくというアイデアをまるで音楽が流れるように思いついたというエピソードから。

《ボルト テーブル》の真ん中がボルトで止められている様を表現。照らしているのはベリーニが1969年にデザインした〈フロス〉の照明《キアラ フロア》。この照明も今秋日本で発売開始となった。
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