DESIGN
渋谷に誕生した公園内カフェ〈ブルーボトルコーヒー 渋谷カフェ〉を徹底紹介!
May 14, 2021 | Design, Architecture, Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Yoko Fujimori
〈ブルーボトルコーヒー〉の国内20店舗目となる新店舗が4月28日、東京・渋谷にオープンした。ブランド初となる公園内カフェは、空間デザインからメニューまで新たな試みが満載だ。1日を通して楽しめる〈渋谷カフェ〉の魅力を紹介します。
テーマは「公園との一体感」。タイルと〈カリモク家具〉のチェアが出迎える、邸宅のような空間。
この春、アパレルショップが集まる渋谷の神南エリアに、〈ブルーボトルコーヒー〉の新アイコンが誕生した。場所は〈渋谷区立北谷公園〉内。ブランド初の公園内カフェであり、邸宅のような2階建ての佇まいと公園との一体感が、他店にはない新たな一面を覗かせる。
空間デザインは〈ブルーボトルコーヒー みなとみらいカフェ〉に続き〈芦沢啓治建築設計事務所〉が担当。空間づくりのキーとなっているのが、同系色3色の組み合わせが美しいタイルシリーズ《エクスシネーレ(ExCinere)》だ。シチリア島・エトナ山の火山灰の釉薬で焼き上げた黄褐色のタイルで、自然素材の建材や製品を手がけるロンドンの〈デジック(Dzek)〉が、アムステルダムのプロダクトデザイン・スタジオ〈フォルマファンタズマ〉とのコラボレーションで開発したもの。
この《エクスシネーレ》は1階のRを描くコーヒーカウンターや2階のラウンジの壁面、テーブルの天板などに効果的に使われ、公園と店内とをつなぐ重要な役割を果たしている。
この《エクスシネーレ》は1階のRを描くコーヒーカウンターや2階のラウンジの壁面、テーブルの天板などに効果的に使われ、公園と店内とをつなぐ重要な役割を果たしている。
そして芦沢啓治がカフェのためにデザインし、〈カリモクケーススタディ〉が制作したダイニングチェアやバースツールも空間の主役の一つ。ワイドに取った背面と国産オークの手触りが心地良いチェアは、まるでリビングルームで過ごすような寛ぎを生んでいる。
「“公園とともにあること”がメインコンセプトだった」と芦沢氏が語る通り、どの席からも公園の緑が見えるよう、エリアごとに椅子やテーブルの高さを変え、配置されていることに気づく。緑を眺め、家具の座り心地を楽しみながらコーヒーをゆったり味わう……渋谷の街が待っていた成熟した空間だ。
ブランチ、スイーツ、そしてワイン! 終日楽しめるラインナップ。
質の高いスイーツやフード類も〈ブルーボトルコーヒー〉ならではの楽しみだ。料理家・副島モウが監修したブランチプレートをはじめ、後藤裕一と仲村和浩の人気パティシエによるユニット〈タンジェント〉がアドバイザーとなるスイーツは、タイルを表現した「ブリック チーズケーキ」や郷土菓子の新解釈「パブロヴァ」など、どれも良質な素材を使用した大人を満足させる味わい。
さらにワインラバーに朗報なのが、国内店舗で初となるナチュラルワインの提供(「緊急事態宣言」解除後を予定)。注目の作り手による赤、白、泡がこの空間で呑めるのがなんとも嬉しい……!
さらにワインラバーに朗報なのが、国内店舗で初となるナチュラルワインの提供(「緊急事態宣言」解除後を予定)。注目の作り手による赤、白、泡がこの空間で呑めるのがなんとも嬉しい……!
コーヒー愛から生まれた〈ヒューマンメイド〉とのコラボレーション。
さらに、この店を特別なものにしているのが〈ヒューマンメイド〉とのコラボレーション。バリスタたちが身につけているTシャツやキャップ、エプロンといったユニフォームをはじめ、〈渋谷カフェ〉の顔となる「フューチャーブレンド」もこの店限定のオリジナル。何より、長年の〈ブルーボトルコーヒー〉ファンだというクリエティブ ディレクター・NIGO®︎氏自身もテイスティングに参加したという「フューチャーブレンド」は、ナチュラル精製のエチオピアをベースにした華やかでスムーズな味わいで、そのバランスのいい飲み口に氏のコーヒー愛が伝わってくる。
〈カリモク家具〉のダイニングチェアに腰掛けて、夕暮れの公園を眺めながらナチュラルワインを一杯……なんて贅沢な時間が過ごせるのも、この店だけの特権。渋谷の街に寛ぎをもたらす“大人っぽい”〈ブルーボトルコーヒー〉を、ぜひ体験してほしい。