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12人の女たちが自由に語る、ヘルムート・ニュートンの素顔。
『カーサ ブルータス』2021年1月号より
| Design, Culture | a wall newspaper | text_Yuka Uchida
センセーショナルなヌード写真で世界を揺るがせたニュートン。関わった女たちに天才写真家の姿はどう見えていたのか?
挑発的なファッションフォトか? それともエレガントなポルノか? ヘルムート・ニュートンの写真は常にセンセーショナルで、『ヴォーグ』などのファッション誌に掲載されるたび、さまざまな議論を巻き起こしてきた。
女性の肉体をドラマチックな演出で写したその写真は、女の真の強さを表していると称えることもできるし、女性を物として消費していると捉えることもできる。
今で言うところの “炎上” を繰り返してきたわけだが、映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』に出演する女性たちの言葉を聞くと、そのイメージは少しずつ変化していく。
女性の肉体をドラマチックな演出で写したその写真は、女の真の強さを表していると称えることもできるし、女性を物として消費していると捉えることもできる。
今で言うところの “炎上” を繰り返してきたわけだが、映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』に出演する女性たちの言葉を聞くと、そのイメージは少しずつ変化していく。
彼に撮られたモデルが口を揃えて言うのは、ニュートンの紳士な振る舞いだ。彼のミューズのひとりだった黒人モデルのグレイス・ジョーンズも、10代にして彼と出会い、エロティックなフォトシューティングに挑戦したクラウディア・シファーも、撮影現場には被写体への敬意と、彼らしいユーモアが溢れていたと振り返る。
フェミニストを自称する女優のイザベラ・ロッセリーニが、その写真を極めて男性的と論じつつ、その中にある美しさに強烈に惹かれているのも印象的だ。
一方で、作中には批評家のスーザン・ソンタグがニュートンに「あなたの作品は女性蔑視では?」
と詰め寄るシーンも。かと思えば、妻であり、モデルから写真家へ転身したジューン・ニュートンは、母なる眼差しでニュートンの制作を “彼の生きがい” と肯定する。
フェミニストを自称する女優のイザベラ・ロッセリーニが、その写真を極めて男性的と論じつつ、その中にある美しさに強烈に惹かれているのも印象的だ。
一方で、作中には批評家のスーザン・ソンタグがニュートンに「あなたの作品は女性蔑視では?」
と詰め寄るシーンも。かと思えば、妻であり、モデルから写真家へ転身したジューン・ニュートンは、母なる眼差しでニュートンの制作を “彼の生きがい” と肯定する。
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