DESIGN
Good TOOLS For Me | 愛用の水筒は何ですか?
June 27, 2014 | Design | a wall newspaper | editor: Yuka Uchida
毎回3人のゲストに愛用の日用品を教えてもらいます。今回のテーマは水筒。夏こそ、お気に入りを携帯したいですよね。
1960年代製のスイス軍の水筒。(橋詰 宗 アートディレクター/ デザイナー)
丈夫で機能的でかつ経済的。三拍子揃ったミリタリー関連のアイテムの世界は、実に奥が深い。学生時代に吉祥寺のセレクトショップ〈ラウンダバウト〉にて、カゴに無造作に入れられた放出品や、店頭の一風変わった軍の日用品に出会って以来、こつこつと集め続けている。
この水筒は1960年代に製造されたスイス軍のもの。時代により新旧2種類のデザインがあるそうだが、こちらは旧型のデザイン。後期のものはSIGG社が製造しており、最近では同社が復刻版も発売していたようだが、やはりオリジナルのデザインが魅力的。アルミカップとセットになっていてカップはそのまま火にかけられる点も優れている。楕円状の形は携帯性が抜群で、キャップはコルクでできており開け閉めも心地よい。また本体から延びている紐は一方はコルクに結びついていて、もう一方をカップ上部の突起部に引っ掛けると落下防止の役割も果たすところが面白い。ポケットウイスキーよろしく、お酒を入れて散歩の休憩に一杯やるのにもいいかもしれない。
この水筒は1960年代に製造されたスイス軍のもの。時代により新旧2種類のデザインがあるそうだが、こちらは旧型のデザイン。後期のものはSIGG社が製造しており、最近では同社が復刻版も発売していたようだが、やはりオリジナルのデザインが魅力的。アルミカップとセットになっていてカップはそのまま火にかけられる点も優れている。楕円状の形は携帯性が抜群で、キャップはコルクでできており開け閉めも心地よい。また本体から延びている紐は一方はコルクに結びついていて、もう一方をカップ上部の突起部に引っ掛けると落下防止の役割も果たすところが面白い。ポケットウイスキーよろしく、お酒を入れて散歩の休憩に一杯やるのにもいいかもしれない。
はしづめそう
芸術・建築・ファッションなどのデザインを行う一方、『何に着目すべきか?』『( )も( )も( )も 展』などワークショプや展示も行う。
〈THERMOS〉の真空断熱ケータイマグ。(しみずまゆこ 木工アーティスト)
ほぼ毎日この水筒を使っています。冬は温かいコーヒーを入れ、夏には氷をたくさん入れてアイスコーヒーにします。最近ではコンビニでもドリップコーヒーが買えるので、カップではなくこの水筒に入れてもらいます。気軽に温かいものや冷たい飲み物を持ち運べる所やゴミを出さなくてもよい所が素晴らしいと思います。
日常だけでなく、旅にも持って行きます。ネパールで高山病になり、ちびちびとこの水筒からお湯を飲んだこと。アラスカで暮れない空を眺めながらバーボンのお湯割りを飲んだこと。西表島の無人島にキャンプに行ったときは、現地でビールを冷やしたいがために水筒に氷だけを詰めてカヤックに乗り込んだこともありました。
毎日作業をしながら使うのでペンキがついたり、どんどんとボロボロになっていきますが、それがかえって、毎日の暮らしや旅の思い出がたくさん詰まったアルバムのようでもあります。こんなに使っているのにびくともしない頑丈さもまた、愛着が湧く理由かもしれません。
日常だけでなく、旅にも持って行きます。ネパールで高山病になり、ちびちびとこの水筒からお湯を飲んだこと。アラスカで暮れない空を眺めながらバーボンのお湯割りを飲んだこと。西表島の無人島にキャンプに行ったときは、現地でビールを冷やしたいがために水筒に氷だけを詰めてカヤックに乗り込んだこともありました。
毎日作業をしながら使うのでペンキがついたり、どんどんとボロボロになっていきますが、それがかえって、毎日の暮らしや旅の思い出がたくさん詰まったアルバムのようでもあります。こんなに使っているのにびくともしない頑丈さもまた、愛着が湧く理由かもしれません。
しみずまゆこ
「Chip the Paint」として古材を使いコラージュ等を制作。自然をテーマにしたユニット〈noyama〉メンバー。新著『外あそび&外ごはんをはじめよう』(文藝春秋)。
〈REI〉のナルジェンボトル。(石塚元太良 写真家)
自動販売機で決して飲み物を買わず、いつもバッグに水筒などを忍ばせている女性の人って結構素敵だなと思ってしまいます。素晴らしき吝嗇家とかエコ万歳とかそんなことではなく、ただただ自分ではそんな手間暇を毎日毎日かけられないから、ただただ憧れてしまうだけですが。
そんな僕でも欠かさず水筒を持参している日々が年に2、3か月くらいはあります。それは夏の間、撮影のために訪れるアラスカでの日々のこと。なぜにその間だけ水筒を持参しているのか? それは単純になにかしらの水分を持っていなければ、アラスカの荒野では生命の危険にさらされるかもしれないからで、それでも日本からアラスカへ水筒を持参することを忘れてしまう僕は、毎回アメリカの大型アウトドアチェーンの〈REI〉で今年の水筒の色を物色したりします。去年はオレンジ色だったみたいですね。軽くて保温性がある、ナルジェンボトルが僕の中での最高の水筒です。カナダのファルトボートメーカー〈Feathercraft〉のステッカーでチューンナップしつつ。
そんな僕でも欠かさず水筒を持参している日々が年に2、3か月くらいはあります。それは夏の間、撮影のために訪れるアラスカでの日々のこと。なぜにその間だけ水筒を持参しているのか? それは単純になにかしらの水分を持っていなければ、アラスカの荒野では生命の危険にさらされるかもしれないからで、それでも日本からアラスカへ水筒を持参することを忘れてしまう僕は、毎回アメリカの大型アウトドアチェーンの〈REI〉で今年の水筒の色を物色したりします。去年はオレンジ色だったみたいですね。軽くて保温性がある、ナルジェンボトルが僕の中での最高の水筒です。カナダのファルトボートメーカー〈Feathercraft〉のステッカーでチューンナップしつつ。
いしづかげんたろう
1977年生まれ、写真家。2011年文化庁在外芸術家派遣員。2014年最新写真集『PIPELINE ICELAND/ALASKA』(講談社)で東川賞写真新人賞を受賞。