DESIGN
これよかろう! と薦めたい、エンツォ・マーリのプロダクト。
『カーサ ブルータス』2019年6月号より
| Design | a wall newspaper | text_Wakako Miyake
インテリアデザイナー、永井敬二が収集したマーリ作品がリニューアルした〈アトリエムジギンザ〉で展示されています。
今年4月にオープンした〈無印良品 銀座〉の6階ギャラリー〈アトリエムジギンザ〉で、インテリアデザイナー・永井敬二さんが50年かけて集めてきた、イタリアの巨匠、エンツォ・マーリのプロダクトが展示されている。永井さん本人にマーリ作品の魅力を聞いた。
Q マーリのデザインのどういうところに惹かれますか。
モダンデザインものはいろいろ持っていますが、デザイナーの名前やブランドで買うことはありません。これいいな、とピンときたら欲しくなっちゃう。今回の展覧会ではキュレーターによって僕のコレクションが5つの考え(プロジェクト)にカテゴリー分けされていて、それを見て初めて、自分がピンときた理由がはっきりしました。一番はアイデアがあること。ステンレススチールをカットして曲げただけのペーパーナイフや、建材であるH鋼やT鋼、L鋼を曲げて切断、溶接して作ったトレーなど、発想が面白い。それで130点近く集まっちゃった。
Q マーリのデザインのどういうところに惹かれますか。
モダンデザインものはいろいろ持っていますが、デザイナーの名前やブランドで買うことはありません。これいいな、とピンときたら欲しくなっちゃう。今回の展覧会ではキュレーターによって僕のコレクションが5つの考え(プロジェクト)にカテゴリー分けされていて、それを見て初めて、自分がピンときた理由がはっきりしました。一番はアイデアがあること。ステンレススチールをカットして曲げただけのペーパーナイフや、建材であるH鋼やT鋼、L鋼を曲げて切断、溶接して作ったトレーなど、発想が面白い。それで130点近く集まっちゃった。
Q それらを実際に使うことも?
もちろんです。ものを見る時は、必ず使っているイメージが頭に浮かびます。なので、「これよかろう」と、友達にも薦めてしまう。本体と蓋という2つのパーツのみで開閉もする卓上容器《ジャヴァ》もあんまり薦めたものだから友達も買って、砂糖を入れて使っていました。テーブルの上にあっても様子がいいんですね。気持ちが豊かになるって、とても大事だと思うんです。収集するだけでなく使うことも喜び。だから選ぶものがどうしてもモノトーンとか使いやすい色になってしまう(笑)。
Q マーリと深く交流するようになったのは、2008年に長崎で開催された展覧会『永井敬二コレクション エンツォ・マーリ100のプロジェット』以来とか。彼は永井さんにとってどんな方なのでしょうか。
思想的なものづくりをしている人なので、よく「こんなことも知らないのか、バカめ」って叱られます。言葉もよくわからないし、僕にとっては怖いおじさんなのだけど、ニコッと笑ったときに温かみを感じる。プロダクトだけでなく、人としても惚れてしまう。そんな存在ですね。
もちろんです。ものを見る時は、必ず使っているイメージが頭に浮かびます。なので、「これよかろう」と、友達にも薦めてしまう。本体と蓋という2つのパーツのみで開閉もする卓上容器《ジャヴァ》もあんまり薦めたものだから友達も買って、砂糖を入れて使っていました。テーブルの上にあっても様子がいいんですね。気持ちが豊かになるって、とても大事だと思うんです。収集するだけでなく使うことも喜び。だから選ぶものがどうしてもモノトーンとか使いやすい色になってしまう(笑)。
Q マーリと深く交流するようになったのは、2008年に長崎で開催された展覧会『永井敬二コレクション エンツォ・マーリ100のプロジェット』以来とか。彼は永井さんにとってどんな方なのでしょうか。
思想的なものづくりをしている人なので、よく「こんなことも知らないのか、バカめ」って叱られます。言葉もよくわからないし、僕にとっては怖いおじさんなのだけど、ニコッと笑ったときに温かみを感じる。プロダクトだけでなく、人としても惚れてしまう。そんな存在ですね。

『変える。エンツォ・マーリと“栗の木プロジェクト”』展─永井敬二コレクションより─
7月21日まで〈無印良品 銀座〉6階の〈ATELIER MUJI GINZA Gallery1〉で開催。●東京都中央区銀座3-3-5 10時〜21時。入場無料。
Enzo Mari
1932年ノヴァーラ近郊生まれのプロダクトデザイナー。イタリアモダンデザインの巨匠であり、60年代から現在に至るまで、現役で活躍中。
