DESIGN
10の名作椅子で始める新生活。
April 16, 2019 | Design | casabrutus.com | text_Takahiro Tsuchida
超定番、話題の復刻、現代のデザイナーの注目作など、多様な椅子からセレクトした10脚のマスターピース。新しい生活にふさわしく、ずっと使い続けられる、価値あるものばかり。
1. ハンス・J・ウェグナー《CH28T》── ウェグナーが本領を発揮したイージーチェア。
《Yチェア》や《ザ・チェア》をはじめ、北欧ミッドセンチュリーのアイコンと言える椅子をいくつも残したデンマークの巨匠ウェグナー。ただし彼によるラウンジチェアは、現代の住環境の中では少々ボリューム感がありすぎるように思える。その点で《CH28T》は、《Yチェア》に共通する軽やかな曲線美をそなえながら、広い背もたれや後傾した座面がゆったりと体を支えてくれる。前方へスッと伸びたアームレストの造形も美しい。プライウッドと無垢材を適材適所で使い分け、ディテールまで無駄なく構成した姿は、ウェグナーの真骨頂を思わせる。362,000円〜(カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京 TEL 03 5413 5421)。
2. ジョージ・ナカシマ《グラスシートチェア》── 磨き抜かれた工芸品を思わせる繊細な1脚。
日系アメリカ人として1905年に生まれ、マサチューセッツ工科大学院を卒業してから日本でアントニン・レーモンドの建築事務所に勤務。第二次大戦の最中にアメリカの収容所で暮らし、日系人の大工と知り合ったのが、ナカシマが伝統的な木工技術を用いて家具を作るきっかけだった。この椅子は彼が1940年代にデザインした初期の傑作で、以降のデザインに比べて端正で繊細な印象が強いが、すでに和と洋の本質が自然に溶け合っている。軽く華奢に見えて、木匠と呼ばれたナカシマらしい芯の強さもしっかりとある。空間を選ぶ椅子だからこそ、コーディネートを工夫するのも楽しい。180,000円(SAKURA SHOP TEL 03 3547 8188)。
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