CULTURE
チェコスロヴァキア映画の「黄金の60年代」とは?
『カーサ ブルータス』2017年12月号より
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自由化の波が訪れた1960年代のチェコスロヴァキア。そこで誕生した珠玉の映画が特集上映されます。
注目は、この3作品!
美しい景色や音楽、可愛らしい人形劇で知られるチェコは、オーストリア=ハンガリー帝国時代に母国語の使用が禁じられるなど、長い抑圧の歴史を持つ国でもある。しかし、チェコの人々は圧政に屈せず、逆にそこから独自のユーモア感覚を育み、ユニークな文化を築いてきた。
今回上映されるのは、政治的抑圧がやわらぎ民主化運動に沸く1960年代に制作された作品群。ヤン・ニェメツなど新世代の監督たちが互いに協力し合って作り上げた作品は、国際的にも高く評価され「チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ」と呼ばれた。全体主義を風刺したり、実験的な映像表現を取り入れたり、歌手や作家を出演させたりという、枠にとらわれない試みがこの時代の作品の特徴で、その制作は民主化への動きとともに盛り上がりを見せた。
しかし、1968年の「プラハの春」がソ連軍などによって押し潰されたことで、政府に批判的な作品は、89年以降に再評価されるまで、上映禁止になるなどの憂き目を見ることになる。そんな圧政の狭間で花開いたこれらの作品からは、チェコスロヴァキアの波乱の歴史と、人々が映画に託した自由への渇望、希望をも感じ取ることができるに違いない。
今回上映されるのは、政治的抑圧がやわらぎ民主化運動に沸く1960年代に制作された作品群。ヤン・ニェメツなど新世代の監督たちが互いに協力し合って作り上げた作品は、国際的にも高く評価され「チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ」と呼ばれた。全体主義を風刺したり、実験的な映像表現を取り入れたり、歌手や作家を出演させたりという、枠にとらわれない試みがこの時代の作品の特徴で、その制作は民主化への動きとともに盛り上がりを見せた。
しかし、1968年の「プラハの春」がソ連軍などによって押し潰されたことで、政府に批判的な作品は、89年以降に再評価されるまで、上映禁止になるなどの憂き目を見ることになる。そんな圧政の狭間で花開いたこれらの作品からは、チェコスロヴァキアの波乱の歴史と、人々が映画に託した自由への渇望、希望をも感じ取ることができるに違いない。
チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ
この3作品のほか、カレル・ゼマン監督『狂気のクロニクル』、ユライ・ヘルツ監督『火葬人』、ヤロミル・イレシュ監督『闇のバイブル/聖少女の詩』などの作品を全9プログラムで上映する。〈シアター・イメージフォーラム〉にて11月11日〜12月1日開催。
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