CULTURE
武満徹の名言「作曲家は、まず誰よりも…」【本と名言365】
July 2, 2024 | Culture | casabrutus.com | photo_Yuki Sonoyama text_Mariko Uramoto illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。豊かな想像力と音楽哲学で、音楽界に大きな足跡を残した作曲家の武満徹。
作曲家は、まず誰よりも聴く側に立たなければいけない。
1950年代からキャリアをスタートし、東洋と西洋の音楽要素を融合させた独特のスタイルで早くから頭角を表した武満徹。1967年に発表した《ノヴェンバー・ステップス》は尺八と琵琶という日本の伝統楽器とオーケストラを組み合わせ、国際的評価を確立した。武満の音楽は国を超え、時代を超えて、今なお多くの人の心を震わせる。
武満は音楽を通じて人間の感情や自然の美しさを表現することを目指した。そして、音楽の起源的な構造を探究し続けた。その中で「作曲家は、音楽を書いて人に聞かせる立場にあるのではなく、まず誰よりも聴く耳を持たなければいけない」という思いに至る。
作曲家はさまざまな音楽に触れるうち、知らず知らずのうちに先入観やさまざまな概念によって耳が汚されていると武満は嘆く。それはクラシックやポップス、ジャズ、現代音楽など公平に聴くことが難しくなっていることでもある。だからこそ、作曲家がピュアに音に向き合うために、まず聴くという行為が大切なのだと説く。そうすると、今まで気が付かなかった音が聞こえ始め、音の一つひとつに驚きと発見をするようになる。音楽の枠組みを超え、世界に偏在する多様な音楽に耳を傾け、人と自然、音との関係を射程に定めて創作活動を続けた武満らしい言葉だ。
1950年代からキャリアをスタートし、東洋と西洋の音楽要素を融合させた独特のスタイルで早くから頭角を表した武満徹。1967年に発表した《ノヴェンバー・ステップス》は尺八と琵琶という日本の伝統楽器とオーケストラを組み合わせ、国際的評価を確立した。武満の音楽は国を超え、時代を超えて、今なお多くの人の心を震わせる。
武満は音楽を通じて人間の感情や自然の美しさを表現することを目指した。そして、音楽の起源的な構造を探究し続けた。その中で「作曲家は、音楽を書いて人に聞かせる立場にあるのではなく、まず誰よりも聴く耳を持たなければいけない」という思いに至る。
作曲家はさまざまな音楽に触れるうち、知らず知らずのうちに先入観やさまざまな概念によって耳が汚されていると武満は嘆く。それはクラシックやポップス、ジャズ、現代音楽など公平に聴くことが難しくなっていることでもある。だからこそ、作曲家がピュアに音に向き合うために、まず聴くという行為が大切なのだと説く。そうすると、今まで気が付かなかった音が聞こえ始め、音の一つひとつに驚きと発見をするようになる。音楽の枠組みを超え、世界に偏在する多様な音楽に耳を傾け、人と自然、音との関係を射程に定めて創作活動を続けた武満らしい言葉だ。
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