CULTURE
【本と名言365】アンディ・ウォーホル|「うまくいっている商売は…」
September 5, 2023 | Culture | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Keiko Kamijo illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で、新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。20世紀ポップアート界のアイコンともなったアンディ・ウォーホル。彼のアート作品を語る上で、もっとも大切なこととは?
うまくいっている商売は1番最高の芸術(アート)だと思う。
ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホル。1960年代、キャンベルスープの缶やコカコーラ、洗剤のパッケージ、マリリン・モンローなどの映画女優や毛沢東等の有名人をモチーフに使い、シルクスクリーンの手法を用いて大量生産、大量消費を象徴とする作品を次々と発表した。
64年にはニューヨークにザ・ファクトリーというスタジオを設けた。アルミホイルと銀色の絵の具で覆われた工場のような空間で、アートワーカーと呼ばれる若者を雇い作品を量産していた。このスタジオにはミュージシャンや作家などの著名人が集まり連日パーティが繰り広げられるサロンのような場所となった。
この言葉は、彼が銃撃された後に出した半生を振り返る著書の「働く」という項で述べられていたものだ。文章の前には「ヒッピーの時代には商売という考え方を軽蔑した。〝金は悪だ〟とか〝働くのは悪だ〟とか言っていたけど金を作るのは技術だし、働くのも技術だし」とある。アート界に留まらず、TVにも積極的に出演し、より多くの人に受け容れられることを求めたウォーホルらしい言葉であり、アメリカの資本主義や大量消費についての皮肉とも受け取れる。また、彼がファクトリーで「芸術家はHEROではなくZEROである」と言っていたのは有名な話で、「無というのはエキサイティングなんだ」「死ぬ時のことだけど、ぼくはなにも残したくない」と本書でも述べる。何もなさ、空虚さ、非人間性は彼の作品を語る上でも重要なキーワードである。
彼の死後も作品の評価は高く、大規模な回顧展も時折行われ、オークションなどでは高値をつけ、インターネット上では彼のイメージが流布され続けている。この状況を見たら、きっと彼はアイロニーを込めて大喜びするだろう。
ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホル。1960年代、キャンベルスープの缶やコカコーラ、洗剤のパッケージ、マリリン・モンローなどの映画女優や毛沢東等の有名人をモチーフに使い、シルクスクリーンの手法を用いて大量生産、大量消費を象徴とする作品を次々と発表した。
64年にはニューヨークにザ・ファクトリーというスタジオを設けた。アルミホイルと銀色の絵の具で覆われた工場のような空間で、アートワーカーと呼ばれる若者を雇い作品を量産していた。このスタジオにはミュージシャンや作家などの著名人が集まり連日パーティが繰り広げられるサロンのような場所となった。
この言葉は、彼が銃撃された後に出した半生を振り返る著書の「働く」という項で述べられていたものだ。文章の前には「ヒッピーの時代には商売という考え方を軽蔑した。〝金は悪だ〟とか〝働くのは悪だ〟とか言っていたけど金を作るのは技術だし、働くのも技術だし」とある。アート界に留まらず、TVにも積極的に出演し、より多くの人に受け容れられることを求めたウォーホルらしい言葉であり、アメリカの資本主義や大量消費についての皮肉とも受け取れる。また、彼がファクトリーで「芸術家はHEROではなくZEROである」と言っていたのは有名な話で、「無というのはエキサイティングなんだ」「死ぬ時のことだけど、ぼくはなにも残したくない」と本書でも述べる。何もなさ、空虚さ、非人間性は彼の作品を語る上でも重要なキーワードである。
彼の死後も作品の評価は高く、大規模な回顧展も時折行われ、オークションなどでは高値をつけ、インターネット上では彼のイメージが流布され続けている。この状況を見たら、きっと彼はアイロニーを込めて大喜びするだろう。
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