CULTURE
20名の漫画家の脳内に存在する“東京”を書き下ろした異色の展覧会。
August 11, 2021 | Culture, Art, Design | casabrutus.com | text_Akiko Miyaura editor_Keiko Kusano
日本を代表する20人の漫画家たちが、それぞれの思う「東京」を描いたアートプロジェクト『漫画「もしも東京」展』が、清澄白河にある〈東京都現代美術館〉で開催されている。
もしも目の前にある東京とは違う、もうひとつの東京があったとするなら? もしも東京という場所を、あるひとりのマンガ家の視点から描くなら? それはどんな姿なのだろう。
東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が主催するTokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13のひとつとして開催中の『漫画「もしも東京」展』は、20人の漫画家がまだ見ぬ架空の東京の姿や、自分の想像の世界で生まれた東京、記憶の中にある東京の風景など、それぞれの思いをのせて書き下ろしたアートプロジェクト。マンガというフィルターを通し、見る人によって変わる東京の街を表現している。参加しているのは『ピンポン』『Sunny』の松本大洋や『ソラニン』の浅野いにお、『岳 –みんなの山-』の石塚真一など豪華な顔ぶれだ。
今回の展示は、「読む東京、歩く漫画」がコンセプト。屋内の講堂だけでなく、中庭や「水と石のプロムナード」などの屋外のパブリックスペースにも作品が点在する。水面に浮かぶ大童澄瞳の作品や、壁画のように外壁に描かれた石塚真一の作品など、本来屋内でじっくり読むことの多い漫画を自分の足で巡りながら鑑賞できるのも新鮮だ。
東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が主催するTokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13のひとつとして開催中の『漫画「もしも東京」展』は、20人の漫画家がまだ見ぬ架空の東京の姿や、自分の想像の世界で生まれた東京、記憶の中にある東京の風景など、それぞれの思いをのせて書き下ろしたアートプロジェクト。マンガというフィルターを通し、見る人によって変わる東京の街を表現している。参加しているのは『ピンポン』『Sunny』の松本大洋や『ソラニン』の浅野いにお、『岳 –みんなの山-』の石塚真一など豪華な顔ぶれだ。
今回の展示は、「読む東京、歩く漫画」がコンセプト。屋内の講堂だけでなく、中庭や「水と石のプロムナード」などの屋外のパブリックスペースにも作品が点在する。水面に浮かぶ大童澄瞳の作品や、壁画のように外壁に描かれた石塚真一の作品など、本来屋内でじっくり読むことの多い漫画を自分の足で巡りながら鑑賞できるのも新鮮だ。
地下2階の講堂内は漫画家ごとに小さな部屋のように仕切られ、一人ひとりの世界観にどっぷり浸れる造り。小部屋の入り口には作者が東京を考察し、自分にとっての東京を語ったパネルが掲示されている。
東京に対する表現は、人それぞれ。ストレートに漫画にする作者もいれば、イラストや絵画のような画で表す人もいる。作品の舞台やシチュエーションも、自らの体験を基にする人、想像の世界で東京を描く人、今の東京から着想を得て架空の街を描く人とさまざまだ。
例えば、松本大洋は萩原朔太郎の詩『青猫』の中で詠まれた言葉に、自分の描いた画をつけていくという表現方法を選んだ。普段の漫画でも感じる、どこかイラスト的な独自の画風が、手描きされた『青猫』の一節、一節となじみ、まるで絵本を見ているような感覚にもなる。
東京に対する表現は、人それぞれ。ストレートに漫画にする作者もいれば、イラストや絵画のような画で表す人もいる。作品の舞台やシチュエーションも、自らの体験を基にする人、想像の世界で東京を描く人、今の東京から着想を得て架空の街を描く人とさまざまだ。
例えば、松本大洋は萩原朔太郎の詩『青猫』の中で詠まれた言葉に、自分の描いた画をつけていくという表現方法を選んだ。普段の漫画でも感じる、どこかイラスト的な独自の画風が、手描きされた『青猫』の一節、一節となじみ、まるで絵本を見ているような感覚にもなる。
Loading...