CULTURE
野村友里による、水と音楽、食物をテーマにしたイベントが開催中。
April 27, 2019 | Culture, Food | casabrutus.com | text_Jun Ishida
〈Ginza Sony Park〉で、eatripを主宰する野村友里によるプログラム『#007 eatrip city creatures』がスタート。GWは、銀座で水と音楽、そして食物に触れ合おう。
銀座はかつて海だった!? そんな都市の記憶へと思いをはせるイベントが〈Ginza Sony Park〉で始まった。eatripを主宰する野村友里によるプログラム『#007 eatrip city creatures』は、水と音楽、植物と食物にフィーチャーしたものだ。
「銀座」という街ができたのは江戸時代に遡るが、それ以前、この地帯は江戸前島という東京湾に突き出した半島の先端部にある低湿地帯だった。日比谷から丸の内にかけては日比谷入江にあたり、現在の〈Ginza Sony Park〉のある数寄屋橋交差点付近もこれに含まれる。徳川家康が江戸に幕府を開くと日比谷入江を埋め立て外堀川を掘るが、時を経て昭和になると今度は戦後の瓦礫を処理するために川自体が埋め立てられる。しかし、この地に染み込んだ水の記憶は失われない。一帯には地下水が流れ、〈Ginza Sony Park〉の地下にもまた水が流れている。
「銀座」という街ができたのは江戸時代に遡るが、それ以前、この地帯は江戸前島という東京湾に突き出した半島の先端部にある低湿地帯だった。日比谷から丸の内にかけては日比谷入江にあたり、現在の〈Ginza Sony Park〉のある数寄屋橋交差点付近もこれに含まれる。徳川家康が江戸に幕府を開くと日比谷入江を埋め立て外堀川を掘るが、時を経て昭和になると今度は戦後の瓦礫を処理するために川自体が埋め立てられる。しかし、この地に染み込んだ水の記憶は失われない。一帯には地下水が流れ、〈Ginza Sony Park〉の地下にもまた水が流れている。
今回のプログラムはこの水に着目し、日頃この場所を訪れるものには見えない地下水を、“見える” ものにした。建物の地下2階、3階に地下水を用いた水畑を設置し、〈Ginza Sony Park〉の来園者の声や音を水の波動に変換、それにより植物や花を育てるという仕掛けだ。地下2階には誰もが弾くことのできるピアノを置き、その周りの水路に〈The Little Shop of Flowers〉による花のインスタレーションが、そして地下3階には、水畑で〈SOLSO〉による植物や花が育てられるとともに、背景では地下5階に設置された湧水ピットへと流れる地下水の映像がオンタイムで流される。野村友里は、「Ginza Sony Parkで育てる食物は、銀座の地下水と、人の発する声や街の音を栄養に成長します。訪れた人は"消費者"であり、誰もが “生産者” になるのです」とコメント。会場では、日本各地の水と土で生まれ、生産者が手間ひまかけて作った食べものも週替わりで販売。食や街をテーマにしたライブ、トークイベント、ワークショップも実施される。
『#007 eatrip city creatures』
〈Ginza Sony Park〉
東京都中央区銀座5-3-1 地上〜地下3階。〜5月24日(金)。10時〜20時。入場無料(一部有料のワークショップ有)プログラムの詳細は公式サイトにて。5月9日には野村友里、『Casa BRUTUS』編集長西尾洋一、フードエッセイスト平野紗季子、〈Villa AiDA〉小林寛司によるトークセッションあり。