新連載:山下めぐみのロンドン通信|この夏、サーペンタイン・ギャラリーによる、2つのプロジェクトが熱い。
June 28, 2018 | Art, Architecture, Travel | casabrutus.com | photo_Haruko Tomioka text_Megumi Yamashita
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ハイドパークとケンジントンガーデンズという隣接する2つ公園の中央にある、サーペンタイン湖。そこに出現したクリスト&ジャンヌ=クロードの〈ザ・マスタバ〉。7,506個のドラム缶を積み重ね、高さ20m×幅30m×40mという巨大さ。

フリーダ・エスコベドがデザインした建築パビリオン。波型の屋根瓦を重ねた内外壁の隙間から、後ろの本館や周囲の緑が透けて見える。

床の一部が水盤、天井にはミラー仕上げのスチール板が張られ、周囲の風景が複雑に映り込む。内壁は南北を結ぶライン上にあり、移築した際もこれがガイドになる。

コンクリート製の波形の瓦が主素材。各瓦には穴が2つづつ空いており、ここに鉄のロッドを通しながら、瓦を重ねていく。移築することを考え、解体し易いことも考慮されている。鉄のロッドが錆びることも想定済み。

壁の幅はタイルの幅と同じ。内壁の配置が長方形のパビリオンに表情を与えている。

フリーダ・エスコベド。これまでの設計者の中で最年少となる1979年メキシコ生まれ。ハーバード大学院卒。これまでの作品にメキシコ個人住宅、ホテルの改築、V&Aなどのパビリオンなどがある。ハーバード大学院、AAスクールなどで教鞭を取る。
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