ART
新連載:吉田実香のNY通信|ジョージア・オキーフが見たハワイ
June 23, 2018 | Art, Travel | casabrutus.com | photo_(c) 2018 Georgia O'Keeffe Museum / Artists Rights Society (ARS), New York illustration_ Yoshifumi Takeda text_ Mika Yoshida
ニューヨーク在住のジャーナリストが旬のトピックをお届けする連載がスタート! 初回は、アメリカ人ならみんな大好き、ジョージア・オキーフの展覧会。オキーフと聞いて連想するのは、ニューメキシコの乾いた大地や花、動物の骨ですが、なんと南の楽園ハワイで描いた作品が、旅の軌跡とともに植物園で公開中。ニューヨーカーが沸いています。
ジョージア・オキーフは特異なアーティストだ。アメリカ人なら必ず学校の教科書で教わる画家である一方、1940年代以来、その時代時代の先鋭的な女性たちが憧れるスタイル・アイコンでもある。
2017年にブルックリン美術館で開催された、オキーフのファッション展〈リビング・モダーン〉でも、バラエティ豊かな来場者に驚かされた。棲み分けの明確なアメリカにおいて、年齢や性別、ライフスタイルを問わず、子どもからシニアまで幅広い層に支持されるという点で、かのイサム・ノグチに通じるものがある。
アメリカを代表するアーティストの一人、オキーフ。活動初期に拠点としたニューヨークの摩天楼や、終の棲家としたニューメキシコ州で描いた動物の骨や花々など、乾いた土地で美を追い求める孤高の芸術家が、実はハワイで絵を描いていたのをご存じだろうか?
2017年にブルックリン美術館で開催された、オキーフのファッション展〈リビング・モダーン〉でも、バラエティ豊かな来場者に驚かされた。棲み分けの明確なアメリカにおいて、年齢や性別、ライフスタイルを問わず、子どもからシニアまで幅広い層に支持されるという点で、かのイサム・ノグチに通じるものがある。
アメリカを代表するアーティストの一人、オキーフ。活動初期に拠点としたニューヨークの摩天楼や、終の棲家としたニューメキシコ州で描いた動物の骨や花々など、乾いた土地で美を追い求める孤高の芸術家が、実はハワイで絵を描いていたのをご存じだろうか?
オキーフが1939年のハワイ滞在で制作した作品と、彼女の見たハワイを紹介する展覧会『Georgia O'Keeffe: Visions of Hawai'i』が現在ニューヨークで開催中だ。
面白いのは、オキーフが描いた草花の実物を巨大温室の中で鑑賞できること。温度・湿度などハワイの環境を再現した空間で、絵のモデルとなったプルメリアやヘリコニアを間近に確かめられるというのは、植物園によるアート展ならでは。NY市の中心部から決して便利なロケーションではないにも関わらず、熱烈なオキーフファンを中心にすでに多くの来園者が内外から訪れている。動員数は同園が2015年に開催し好評を博した〈フリーダ・カーロ展〉の52万5,000人を凌ぐと予想されている。
面白いのは、オキーフが描いた草花の実物を巨大温室の中で鑑賞できること。温度・湿度などハワイの環境を再現した空間で、絵のモデルとなったプルメリアやヘリコニアを間近に確かめられるというのは、植物園によるアート展ならでは。NY市の中心部から決して便利なロケーションではないにも関わらず、熱烈なオキーフファンを中心にすでに多くの来園者が内外から訪れている。動員数は同園が2015年に開催し好評を博した〈フリーダ・カーロ展〉の52万5,000人を凌ぐと予想されている。
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illustration Yoshifumi Takeda
吉田実香
よしだ みか ライター/翻訳家。ライター/インタビュアーのパートナー、デイヴィッド・G・インバーとのユニットでNYを拠点に取材執筆。『Tokyolife』(Rizzoli)共著、『SUPPOSE DESIGN OFFICE』(FRAME)英文執筆、『たいせつなきみ』(マイラ・カルマン 創元社)翻訳。