ART
謎の瓜人間が踊る!? シュールな展示に注目です。
『カーサ ブルータス』2018年6月号より
| Art, Travel | a wall newspaper | photo_©Tate(Seraphina Neville)2018 text_Megumi Yamashita
〈テート・ブリテン〉でのA・ハミルトンのパフォーマンス。〈ロエベ〉のJ・アンダーソンとコラボした衣装にも注目です。
〈テート・ブリテン〉の1階を、奥まで突き抜ける広々としたギャラリースペース。通常はネオクラシックな内装だが、床などが白いタイルで覆われ、その中でシュールな扮装をしたパフォーマーがゴソゴソとうごめいている。10月まで開催中のアンセア・ハミルトンの『ザ・スクウォッシュ(瓜)』なるインスタレーションだ。
インスタレーションは、ハミルトンが数年前に出会った1960年代のアメリカの舞踏家エリック・ホーキンスのパフォーマンスの写真に端を発する。アメリカ先住民ホピ族が信仰する精霊「カチーナ」の中に瓜の形をしたものがあり、その儀式の踊りを踏襲したものだったという。これを基にイメージを膨らませ、コスチュームのデザインを〈ロエベ〉のジョナサン・アンダーソンに依頼。これを受け、アンダーソンは瓜やカボチャを思わせるかぶりものと衣装のセットを全7種類製作。どのコスチュームも見てみたいけど、いつ、何を着たパフォーマーが登場するかはあいにく予測不可。パフォーマンスも衣装と気分次第の一発芸的企画ゆえ、期間中の展開にも期待したい。
The Squash
毎年セレクトされる〈テート・ブリテン・コミッション〉の企画。10月7日まで。〈Tate Britain〉Millbank, London SW1P 4RG TEL (44)20 7887 8888。10時〜18時。無休。入場無料。

J・アンダーソン
1984年生まれ。RCA卒業。〈J.W.アンダーソン〉と〈ロエベ〉のクリエイティブ ディレクターを務める。

アンセア・ハミルトン
1978年生まれ。RCA卒業。2016年黒人女性作家としては初めてターナー賞にノミネートされる。© Valerie Sadoun
