ART
イサム・ノグチを読み解く展覧会へ。
December 7, 2017 | Art | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Rie Nishikawa
大分県立美術館で、開催中の『20世紀の総合芸術家イサム・ノグチ―彫刻から身体・庭へ―』展。大分県立美術館館長でイサム・ノグチ日本財団学芸顧問、武蔵野美術大学芸術文化学科教授の新見隆が解説する。
本展は20世紀を代表する彫刻家イサム・ノグチを国内外の作品によって読み解く展覧会だ。イサム・ノグチをテーマにした企画展は、新見隆にとってこの展覧会が集大成になるという。新見は1994年に、セゾン美術館で『イサム・ノグチと北大路魯山人展』の企画を担当している。
イサム・ノグチ(1904-1988)は詩人、野口米次郎を父に、アメリカ人作家レオニー・ギルモアを母にロサンゼルスに生まれる。日本、アメリカ、ヨーロッパ、石の産地であるイタリアを中心に活動していた。
(c) INFGM,NY/ARS-JASPAR. Photo by Jack Mitchell.
(c) INFGM,NY/ARS-JASPAR. Photo by Jack Mitchell.
「ノグチと魯山人は芸術家のタイプが似ていると考えています。ノグチは魯山人のアトリエで一緒に生活し、一緒に仕事をしていました。一般的には境遇が似ていて、親との関係で寂しい想いをしたことなどから魯山人がノグチをかわいがったと言われています。
日本は芸術の分野で、独自のものを作り上げることは意外と容易ではなかった。異文化の影響が大きかったからです。魯山人は、食という芸術の王道からはそれた脇道から入りながら、焼き物の作家として大成する。単純に何かを真似るのではなく、さまざまなアイディアソースを持ちながらも、いいところは写しとして自分のものにいている。そんな日本のものづくりのよさを正々堂々と語ったのが魯山人。
一方、ノグチはインド、日本、アメリカ、ヨーロッパからマヤ、インカまで、原始的なものを調合し、独自のものをつくりあげました。それが魯山人のユニークさであり、ノグチのユニークさで、実はそれが20世紀の日本のものづくりの指針にもなりました」
日本は芸術の分野で、独自のものを作り上げることは意外と容易ではなかった。異文化の影響が大きかったからです。魯山人は、食という芸術の王道からはそれた脇道から入りながら、焼き物の作家として大成する。単純に何かを真似るのではなく、さまざまなアイディアソースを持ちながらも、いいところは写しとして自分のものにいている。そんな日本のものづくりのよさを正々堂々と語ったのが魯山人。
一方、ノグチはインド、日本、アメリカ、ヨーロッパからマヤ、インカまで、原始的なものを調合し、独自のものをつくりあげました。それが魯山人のユニークさであり、ノグチのユニークさで、実はそれが20世紀の日本のものづくりの指針にもなりました」
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