ART
ウォーホルvs.トランプ、世紀のビジネス対決やいかに!?
| Art | a wall newspaper | photo_Naho Kubota text_Mika Yoshida & David G. Imber ©2017 The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / ARS, New York / JASPAR, Tokyo E 2588
あのウォーホルも、今や世界のお騒がせ者のトランプにはしてやられた? 実は1980年代にこんな踏み倒し事件があったんです。
あのウォーホルがトランプ・タワーを描いたのに、トランプは代金を踏み倒したって!?
“ドナルドってハンサムで、色男”と日記に書いていたアンディ・ウォーホル。それが“なんてケチ!”と手のひら返し!? この間、2人にいったい何が起きたのか?
ドナルド・トランプがウォーホルのスタジオ〈ファクトリー〉を訪れたのは1981年4月24日。ウォーホルが主宰する『インタビュー』誌のアートディレクター、マーク・バレットが仲介役だ。
当時NY5番街ではトランプ・タワーが建設中。入居する店舗のカタログをデザインしていたバレットが「マンション部分のロビーで、アンディに何か作品を作らせては?」とリッチ&フェイマスの権化、トランプに売り込んでくれたのだ。そのときのトランプと最初の妻イヴァナの印象が『ウォーホル日記』にこう記されている。
“訳がわからないくらい金持ち。昨日買ったビルは5億ドルで、なんて話をしている。ドナルドは精悍な色男だった。”
数週間後、ウォーホルは工事中のトランプ・タワーを訪れ、助手に撮影させた建築模型の写真でポートレートを作る。
「マネージャーに常日頃から、前金なしで仕事をしてはいけない、ときつく言われていたにもかかわらず、ウォーホルは契約もせず制作を始めてしまうんです」と語る、アンディ・ウォーホル美術館教育部門のグレイス・マーストンさん。本人の許可なしに制作する押し売り商法は、ウォーホルの常套手段。
「今回は特にオイシイ仕事だし、共通の友人もいるわけだから、よもや断られることはないだろうとの見切り発車だったようです」
ところがそのよもや、が起きた。
“8月5日。トランプ夫妻来訪。トランプ・タワーのペインティングを見せる。自分でもなんでこんなにたくさん、と思うが8点作った。黒とグレー、そしてシルバーで、シックでロビーにマッチするはず。が、どうも数の多さに2人は混乱したらしい。トランプ氏は声を荒らげて、色がマッチしてないと怒った。インテリアデザイナーが決めたピンクやオレンジに合わせた作品を作るべきだったらしい。だが思うに彼は単にケチなんじゃないかという気が。”
当時NY5番街ではトランプ・タワーが建設中。入居する店舗のカタログをデザインしていたバレットが「マンション部分のロビーで、アンディに何か作品を作らせては?」とリッチ&フェイマスの権化、トランプに売り込んでくれたのだ。そのときのトランプと最初の妻イヴァナの印象が『ウォーホル日記』にこう記されている。
“訳がわからないくらい金持ち。昨日買ったビルは5億ドルで、なんて話をしている。ドナルドは精悍な色男だった。”
数週間後、ウォーホルは工事中のトランプ・タワーを訪れ、助手に撮影させた建築模型の写真でポートレートを作る。
「マネージャーに常日頃から、前金なしで仕事をしてはいけない、ときつく言われていたにもかかわらず、ウォーホルは契約もせず制作を始めてしまうんです」と語る、アンディ・ウォーホル美術館教育部門のグレイス・マーストンさん。本人の許可なしに制作する押し売り商法は、ウォーホルの常套手段。
「今回は特にオイシイ仕事だし、共通の友人もいるわけだから、よもや断られることはないだろうとの見切り発車だったようです」
ところがそのよもや、が起きた。
“8月5日。トランプ夫妻来訪。トランプ・タワーのペインティングを見せる。自分でもなんでこんなにたくさん、と思うが8点作った。黒とグレー、そしてシルバーで、シックでロビーにマッチするはず。が、どうも数の多さに2人は混乱したらしい。トランプ氏は声を荒らげて、色がマッチしてないと怒った。インテリアデザイナーが決めたピンクやオレンジに合わせた作品を作るべきだったらしい。だが思うに彼は単にケチなんじゃないかという気が。”
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