ART
ポーラ美術館の新コレクションで「色」の多彩な顔を見る|青野尚子の今週末見るべきアート
February 11, 2025 | Art, Travel | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
いつも私たちが何気なく接している「色」。でもアーティストにとっては制作の根本に関わる要素です。ポーラ美術館で開かれている『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』展で色とアーティストとの深くて濃い関係をみてみましょう。
モネ、ルノワールなどの印象派を始めとした近代美術のコレクションで知られる〈ポーラ美術館〉。同館では近年、積極的に現代美術の収集も行っている。『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』展は近年同館の収蔵となった10点の作品が初公開されるのを含め、近代から現代へとつながる美術史を「色」という観点から見るものだ。
展示は杉本博司の「Opticks」シリーズから始まる。微細なグラデーションが見るものの目を惑わせる色面は、プリズムで分光した光のスペクトルをインスタントカメラで撮影し、そのプリントをスキャンしたものを拡大して印画紙に焼き付けるというプロセスを通じてできたもの。アイザック・ニュートンの『光学』(1704年)を参照したこの作品を杉本は「光を絵の具として使った新しい絵(ペインティング)」だという。
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青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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