Casa BRUTUS
  • BOARD
ART

白井晟一の建築と語り合う須田悦弘の木彫の花|青野尚子の今週末見るべきアート

| Art, Architecture | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare   text_Naoko Aono   editor_Keiko Kusano

本物そっくりの雑草や花を木から彫り出す須田悦弘。建築家・白井晟一が設計した〈渋谷区立松濤美術館〉で彼の個展が開かれています。初期の作品から、この建物にあわせて作った新作までが並びます。

卒業制作の《朴の木》1992年(作家蔵)。周囲の壁などはこの展示のために再制作したもの。
卒業制作の《朴の木》1992年(作家蔵)。周囲の壁などはこの展示のために再制作したもの。
多摩美術大学でグラフィックデザインを学んでいた須田悦弘が木彫を始めたのは大学の課題がきっかけだった。お題は「スルメ」。その時に彼はデザインと同じくらい木彫も面白い、と感じたのだそう。卒業制作では細長い空間を作り、その奥に朴の花が置かれた《朴の木》を発表した。
《スルメ》1988年(作家蔵)。須田が木彫に向かうきっかけになった作品。
《スルメ》1988年(作家蔵)。須田が木彫に向かうきっかけになった作品。
初期作品の一つ、《東京インスタレイシヨン》が最初に展示されたのは美術館やギャラリーではなく、路上だった。銀座の屋外駐車場に細長い“部屋”が置かれていて、中に入ると木彫の朴の葉と実と向き合える。展示空間自体を作品としたのだ。今でこそ、それは一般的になった考え方だけれど、90年代前半の当時はまだ珍しいものだった。展示室では当時のドローイングや記録写真も見られる。当時の情熱が伝わってくる。
Loading...
青野尚子の今週末見るべきアートillustration Yoshifumi Takeda

青野尚子

あおのなおこ  ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。

Loading...

Pick Up注目記事

Recommend厳選おすすめ

ワラシちゃん占い

528日のお告げ
Casa iD

登録すると、会員限定の3大特典が手に
入ります。しかも無料。今すぐ、登録を!

メルマガ登録 (無料)

本誌発売日などにメルマガをお届け!

ご登録頂くと、弊社のプライバシーポリシーとメールマガジンの配信に同意したことになります。