ART
坂本龍一にアーティストたちが捧げるトリビュート|青野尚子の今週末見るべきアート
January 22, 2024 | Art, Culture | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano 撮影:冨田了平 写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
音楽だけでなくさまざまなメディアを横断していた坂本龍一。惜しくも2023年に逝去した彼は、世代を超えたさまざまなアーティストたちとのコラボレーションにもつねに積極的でした。それを再構成した展示が東京で開かれています。坂本の多面性を改めて体験できる展覧会です。
ミュージシャンとして知られた坂本龍一はメディア・テクノロジーにも興味を持ち、現代美術やメディア・アートのジャンルでも多くの作品を制作してきた。『坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア』は坂本とカールステン・ニコライらアーティストとのコラボレーション作品を中心にした展覧会。坂本は、会場となる東京・初台の〈NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]〉と開館前の準備期間から関わりを持ち、開館10周年・20周年記念企画展にも参加してきた。共同キュレーターはライゾマティクスの真鍋大度。彼は2019年から坂本の演奏を特殊な撮影装置でアーカイブするプロジェクトを行ってきた。
展示作品の一つ、毛利悠子の《そよぎ またはエコー》は『札幌国際芸術祭2017』で発表した作品を再構成したもの。彼女が石狩川河口から遡上する旅で出会った「朽ちながらもいまだ生々しく存在するさまざまなモノたち」に触発されたインスタレーションだ。坂本は自動演奏ピアノで演奏されていた楽曲などを提供した。ICCでは『札幌国際芸術祭2017』で行われた坂本とカミーユ・ノーメントによるパフォーマンスを記録した映像も見ることができる(シアター上映プログラムは定員あり)。
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illustration Yoshifumi Takeda
青野尚子
あおのなおこ ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。
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