ART
アートと食で自然と繋がる〈麻布台ヒルズ〉のオラファー展へ。
『カーサ ブルータス』2024年2月号より
January 18, 2024 | Art | a wall newspaper | text_Naoko Aono
食はアートの源。そう考えるオラファー・エリアソンの展示と、特別メニューが楽しめるイベントが〈麻布台ヒルズ〉で開催中です。
近年、環境に対する意識をより深めているアーティスト、オラファー・エリアソン。〈麻布台ヒルズギャラリー〉での個展でも、見ることのできないエネルギーや、地球を含めた天体の動きを可視化した作品が並ぶ。たとえば《太陽のドローイング》は回転する紙の上にガラス球を置いて太陽光を収束させ、その焦げ目をドローイングとしたもの。《呼吸のための空気》はゴミ焼却場から回収した亜鉛を使ったものだ。
この展覧会には「相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」という、〈麻布台ヒルズ〉のオフィスロビーに設置されたパブリックアートと同じ題名がつけられている。「相互に繋がりあう」とは人間と、自然など人間以外のものとの関係を表しているという。それらは対立する概念ではなく、お互いに影響し合って存在しているのだ。
この個展の会期限定でオープンするカフェ〈THE KITCHEN〉ではスタジオ・オラファー・エリアソン・キッチンとのコラボレーションによるメニューが味わえる。ベルリンにあるエリアソンのスタジオには専属の料理人がいて、スタッフやその日訪れた人々がランチをともにしている。食材を運搬するときに出る二酸化炭素を減らすため、できるだけ近場で収穫した旬のものを使ったメニューだ。
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