ART
2024年パリ五輪までの期間限定建築〈グラン・パレ エフェメール〉で、ユルゲン・テラーの写真展が開催中。
December 26, 2023 | Art, Architecture, Fashion | casabrutus.com | text_Chiyo Sagae editor_Keiko Kusano
リニューアル中の〈グラン・パレ〉に代わり、2011年に新設された期間限定の〈グラン・パレ・エフェメール〉。そのユニークな建築に呼応するかのように展示空間をデザインした『ユルゲン・テラー i need to live』展が話題です。
モード、広告、アートの境界を超え、比類なきスタイルを貫く写真家、ユルゲン・テラーの写真展が、サンローランを公式スポンサーに〈グラン・パレ・エフェメール〉で開かれている。1900年のパリ万博のために建てられた展覧会場〈グラン・パレ〉の大規模改装工事の間、その代わりを務める「エフェメール:仮の/臨時の」建築としてジャン=ミッシェル・ヴィルモットが設計した〈グラン・パレ・エフェメール〉。
仮とはいえ、エッフェル塔から一直線に伸びる公園の構成軸上に築かれた建築は幾何学的な景観に映え、印象的だ。木造の骨組みと屋根の軽量構造や、解体後も新たに再構成できるモジュール式のエレメントの集合体として全体を設計するなど、期間限定ゆえに考え抜かれた「エフェメール」建築の理念は、本展の会場デザインにも通じる。そんな視点で巡るユルゲン・テラー展も興味深い。
仮とはいえ、エッフェル塔から一直線に伸びる公園の構成軸上に築かれた建築は幾何学的な景観に映え、印象的だ。木造の骨組みと屋根の軽量構造や、解体後も新たに再構成できるモジュール式のエレメントの集合体として全体を設計するなど、期間限定ゆえに考え抜かれた「エフェメール」建築の理念は、本展の会場デザインにも通じる。そんな視点で巡るユルゲン・テラー展も興味深い。
〈グラン・パレ・エフェメール〉は、長さ150mと130mの蒲鉾型の2つの身廊を交差させた十字型の建築だ。骨組みの複数のアーチが構造を支え、ファッションやスポーツ、アートなど様々なイベントに対応する柱の一切ない10,000m2の巨大空間を実現した。
ちなみに、2024年開催のパリオリンピック/パラオリンピックでは柔道とレスリングの会場として使用され、これを最後に解体予定。この空間をビジターに体感させながら、写真展への集中力を途切れさせずに導くのが、建築の形状に着想を得た、高さ約4mの十字型の木造の展示壁だ。大空間を大小4つのセクターに分割し、ユルゲン・テラーの作品群を緩やかにまとめる。会場設計を手がけたのは、ロンドンの〈6a architects〉。作家の写真スタジオも手がけた彼らは、作品世界の理解を展示方法に生かすと同時に、建築との繋がりを会場内に表現した。
ちなみに、2024年開催のパリオリンピック/パラオリンピックでは柔道とレスリングの会場として使用され、これを最後に解体予定。この空間をビジターに体感させながら、写真展への集中力を途切れさせずに導くのが、建築の形状に着想を得た、高さ約4mの十字型の木造の展示壁だ。大空間を大小4つのセクターに分割し、ユルゲン・テラーの作品群を緩やかにまとめる。会場設計を手がけたのは、ロンドンの〈6a architects〉。作家の写真スタジオも手がけた彼らは、作品世界の理解を展示方法に生かすと同時に、建築との繋がりを会場内に表現した。
Loading...
Loading...