ART
ケリス・ウィン・エヴァンスの光と音の世界に触れる。
『カーサ ブルータス』2023年9月号より
August 21, 2023 | Art | a wall newspaper | photo_Satoshi Nagare text_Hisashi Ikai Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris
今年4月に〈草月会館〉で行われた展示も記憶に新しいエヴァンスの最新個展が〈エスパス ルイ・ヴィトン東京〉で開催。
光や音、文章などを巧みに組み合わせながら、見る者の感覚を刺激するコンセプチュアルアートを手がけるイギリスのアーティスト、ケリス・ウィン・エヴァンス。〈フォンダシオン・ルイ・ヴィトン〉所蔵のエヴァンス作品を一堂に紹介する展覧会『L>espace)(...』が現在、東京・表参道の〈エスパス ルイ・ヴィトン東京〉で開催中だ。
哲学、文学、音楽、映画など、さまざまな分野からの引用をもとに、独自の作品をつくるエヴァンス。その作品は、この世界をめぐるさまざまな事象と鑑賞者をつなぐ媒介者のようにも映る。光や音、動きで確かな反応を見せつつも、その存在はあまりにも抽象的。本意を理解することは困難かもしれないが、その静謐で知性に満ちた存在は、誤認さえも許容するような、聡明さと奥深さを持ち合わせている。
哲学、文学、音楽、映画など、さまざまな分野からの引用をもとに、独自の作品をつくるエヴァンス。その作品は、この世界をめぐるさまざまな事象と鑑賞者をつなぐ媒介者のようにも映る。光や音、動きで確かな反応を見せつつも、その存在はあまりにも抽象的。本意を理解することは困難かもしれないが、その静謐で知性に満ちた存在は、誤認さえも許容するような、聡明さと奥深さを持ち合わせている。
不思議なリズムで点滅するシャンデリア。文章の一部を切り取ったネオン管。20本のガラス管から流れるサウンド。ゆっくりと回転する巨大な盆栽。ギャラリーに点在する作品とともに、ゆっくりと同じ空間と時間を共有しているうちに、次第に意識が連動し、次々に異なる心象が現れていることに気づくことだろう。
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