ART
日本初個展。劉建華のクールなオブジェが問いかける、熱い問題とは?
| Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
靴やペットボトルなど、身近なものをモチーフにしたオブジェ。でも素材はガラスや陶磁器。劉建華(リュウ・ジェンホァ)のアートにはそんなねじれた関係が隠れています。日本では初めての個展を見に行きませんか?
劉建華は1962年中国・吉安生まれ、現在、上海を拠点にしているアーティスト。日本では2017年の『奥能登国際芸術祭』で浜辺に打ち上げられた漂着物のように見える作品を発表している。今回、日本初の個展会場となる〈十和田市現代美術館〉が面する官庁街通りにも常設作品《痕跡》がある。大きな枕のような、上に人が座ったり寝転んだりできるオブジェだ。
今回のメインとなる《遺棄》は白い磁器で作ったオブジェが床一面に広がっているというもの。よく見るとそれはカバンや水筒、靴など、身近なものの形をしている。その中には割れたり、壊れたりしたものも。私たちは普通に暮らしているだけでゴミを大量に排出している、そんな状況への批判も読み取れる。
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