“非物質”に惹かれたイヴ・クラインの後世に与えた影響を探る|青野尚子の今週末見るべきアート
November 1, 2022 | Art | casabrutus.com | photo_IKEDA hiraku text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
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(右から)イヴ・クライン《人体レリーフ(マルシアル・レイス)―PR2》、《アルマン(肖像レリーフ)》、《人体レリーフ(クロード・パスカル)―PR3》(すべて1962年、「アルマン」のみ愛知県美術館蔵、ほか2点は彫刻の森美術館(公益財団法人彫刻の森芸術文化財団)蔵)。
イヴ・クライン(1928-1962年)《Portrait of Yves Klein made on the occasion of the shooting of Peter Morley "The Heartbeat of Frame" February 1961》Charles Wilp's studio, Düsseldorf, Allemagne © The Estate of Yves Klein c/o ADAGP, Paris Photo © : Charles Wilp / BPK, Berlin
展示風景。3つの人体レリーフの隣には無地の金屏風が並んでいる。
左の写真は1962年2月4日に行われたクロード・パスカルに対する「非物質的絵画的感性領域の譲渡」の記録。クラインがパスカルに「非物質的な領域」を譲渡し、対価として一定の重量の金を受けとるが、その金をセーヌ河に投げ捨ててしまう。価値を無化することで永遠の価値を手に入れるという、逆説的なアートだ。
イヴ・クライン《無題(薔薇色のモノクローム)》(1957年、個人蔵 © The Estate of Yves Klein c/o ADAGP, Paris)。彼は青や薔薇色の他にもさまざまな色によるモノクローム(単色)絵画を制作している。
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